マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
実質新年度入りの日経平均は配当落ちで反落も下げ渋る展開 配当落ちは埋めきれず
日本株式市場
実質新年度入りの日経平均は配当落ちで反落も下げ渋る展開 配当落ちは埋めきれず
1.概況
本日の日本市場は、昨日の米国市場が小幅に高安まちまちでほぼ横ばいとなるなど買い材料に乏しいなか3月期末の配当落ちもあって小幅反落となりました。149円安の16,985円と節目の17,000円を割り込んで寄り付いた日経平均は17,000円を挟んでしばらく揉み合い方向感に欠ける展開となりましたが、配当の再投資とみられる買いがTOPIX先物に入ったことなどから10時頃から下げ幅を縮め11時過ぎにわずかなプラスに転じました。しかし、昨日の終値近辺では上値が重く前場は27円安の17,106円で引けました。後場を69円安でスタートした日経平均は再び下げ幅を広げましたが、17,000円を割り込んだところで下げ渋ると直ぐに17,000円を回復し、その後は小安い水準で小動きとなりました。結局、日経平均は30円安の17,103円で取引を終えています。本日は実質新年度相場入りとなりましたが、東証1部の売買代金は1兆8382億円と引き続き2兆円を下回り低調でした。また、新興市場では東証マザーズ指数が大幅続伸、日経ジャスダック平均が6日ぶりの小幅反落となり、東証マザーズ指数は昨年7月22日以来およそ8カ月ぶりに1,000ポイントの節目を回復しています。
2.個別銘柄等
昨日の引け後に決算を発表したニトリホールディングス(9843)が大幅高となりました。29期連続の増収増益となったうえに、増配を発表したことなどが好感されました。また、保有不動産の売却に伴い2016年3月期に特別利益として284億円を計上すると発表したIHI(7013)も大きく上げています。エイベックス・グループ・ホールディングス(7860)も業績の上方修正を受けて大きく上昇しました。一方で昼休み中に業績の上方修正を発表したカジュアル衣料のライトオン(7445)が後場に下げに転じ10%安と急落しました。好調な既存店売上高を背景に株価が水準を切り上げるなか前場に年初来高値を付けていたこともあって材料出尽くしとなり売られました。そのほか大手証券が投資判断と目標株価を引き下げた横浜ゴム(5101)や、増収減益の第3四半期決算を発表したウェザーニューズ(4825)が大きく下げています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
実質新年度相場入りとなった本日の日経平均は30円安となりましたが、130円弱の配当落ち分を考慮すると実質的には100円近く上昇したとみることができます。しかし、あとわずかで配当落ち分を埋めきれなかったことが残念です。日経平均は引き続き方向感に欠ける展開が続いていますが、週末にかけて重要なイベントが目白押しとなるなかそろそろ17,000円近辺からどちらかに放れる可能性もありそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)
中国株式市場
上海市場と香港市場ともに続落
上海総合指数:2919.83(-37.99)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20309.92(-35.69)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は、上海市や深セン市に加えて蘇州市などの都市でも政府が不動産の購入制限策を打ち出すとの観測から不動産株が大きく売られ大幅続落となりました。前日終値近辺で上値が押さえられた上海総合指数は、下げ幅を広げると後場寄り直後に1.7%安近くまで下落しました。その後、後場に一旦買い戻されましたが、買いが続かず再び下げ幅を広げると取引終盤には1.8%安近くまで売られ安値を付けました。引けにかけてやや買い戻されたものの、上海総合指数は結局1.3%安と大幅安で取引を終えています。
<香港市場>
休場明けの香港ハンセン指数は小幅続落となっています。上昇して寄り付いたハンセン指数は、本土市場の下落を受けてマイナスに転じ一時0.5%安まで売られる場面がありました。その後は何度か持ち直す場面もみられたものの、プラスに転じたところでは買いが続かず軟調となっています。日本時間16時時点で商工業株指数や不動産株指数、公益事業株指数、金融事業株指数の4業種の全てが小幅に下落しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、中国の蘇州市など都市においても住宅購入制限が強化されるとの懸念からリソーシズランド (華潤置地・01109)やチャイナオーバーシーズランド (中国海外発展・0688)などの中国系の不動産株がそろって軟調に推移しています。また、投資判断の引き下げが嫌気されシェンホアエネルギー (神華能源・01088)が大幅に下落しています。さらに、ペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)も大幅な減益決算を受けて3%を近い下げとなっています。
一方で、市場予想を上回った決算を好感してビーワイディー (BYD・01211)が買いを集め4%高となっています。また、「一帯一路」構想の関連銘柄であるチャイナレールウェイ (中国中鉄・00390)やレールウェイコンスト (中国鉄建・01186)が買われています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)