マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は4月の利上げ観測が後退し上昇 日本市場は円高を嫌気し続落スタートか
NYダウ: 17633.11 △97.72 (3/29)
NASDAQ: 4846.62 △79.84 (3/29)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演での発言を受けて4月の利上げ観測が後退し上昇しました。原油価格の下落を嫌気して取引開始後しばらくして100ドル安余りまで売られる場面もあったダウ平均ですが、イエレンFRB議長が講演で「政策金利の調整を慎重に進めるのが適切だ」などと述べたことで昼過ぎにプラスに転じると取引終盤には107ドル高まで上げ幅を広げました。結局ダウ平均は97ドル高の17,633ドルと3日続伸となり高値圏で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も79ポイント高の4,846ポイントと反発しています。
2.経済指標等
1月の米S&Pケース・シラー住宅価格指数は主要20都市圏の住宅価格動向を示す指数が前年同月比で5.7%上昇しました。コンファレンス・ボードが発表した3月の米消費者信頼感指数は96.2と2月の94.0から上昇し市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種全てが上げました。そのなかでも情報技術、公益事業、ヘルスケア、電気通信サービスの4業種が1%を超える上昇となり、一般消費財・サービス も1%近く上げました。
4.個別銘柄動向
四半期決算が大幅増収増益で市場予想を上回った住宅建設のレナー(LEN)が大幅高となりました。また、検討している一部資産の売却について買収側に提案期限を設けたと報じられたことで資産売却に向けて調整が進んでいるとの見方からヤフー(YHOO)が大きく上げました。さらに決算が大幅な増収増益となった調味料大手のマコーミック(MKC)が買われ一時52週高値を更新しました。一方で太陽光発電のサンエジソン(SUNE)が急落しています。傘下企業が米証券取引委員会への届け出でサンエジソンが破産申請をするリスクに言及したことが嫌気されました。スリーエム(MMM)も2016年12月期通期の利益見通しを据え置いたことで売られました。
5.為替・金利等
長期金利はイエレンFRB議長の講演を受けて4月の利上げ観測が後退し前日比0.08%低い1.80%となりました。ドル円は米長期金利の低下を受けて円高が進み112円70銭台での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場は上昇したものの、ドル円が円高に振れていることから本日の日本市場は続落でのスタートが予想されます。こうしたなか本日も日中はドル円の動向に神経質となりそうですが、日経平均が17,000円前後で引き続き底堅さをみせるのかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)