市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均は112円台前半まで進んだ円高を嫌気して大幅続落

日本株式市場

日経平均は112円台前半まで進んだ円高を嫌気して大幅続落

1.概況
本日の日本市場は、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演での発言を受けて4月の利上げ観測が後退し、米長期金利が低下したことでドル円が112円台を付け円高に振れたことから大幅続落となりました。25円安と小幅に下げて寄り付いた日経平均は112円台前半まで円高が進んだことから下げ幅を広げ17,000円を割り込んで120円近くまで売られましたが、17,000円を小幅に下回ったところで下げ渋ると切り返し前場は56円安の17,047円で引けました。82円安で寄り付いた後場は再びドル円が112円台前半まで円高に振れたことで一段と弱含みました。14時半前に16,900円を割り込む水準まで売られた日経平均は引け間際に本日の安値を付けると結局224円安の16,878円とほぼ安値引けで取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆4億円と4日ぶりに2兆円を回復しています。また、新興市場では東証マザーズ指数が3日続伸となる一方で、日経ジャスダック平均が続落となっています。

2.個別銘柄等
佐川急便を傘下に持つSGホールディングスと物流分野で資本・業務提携すると報じられた日立物流(9086)が買い気配で始まり一時は10%高まで買われました。そのほか3月度の売上高が前月に続いて好調だったアスクル(2678)も一時5%以上上昇し、それぞれが取締役会を開き鴻海精密工業による買収を決める見通しと伝わったことでシャープ(6753)が大きく上昇しました。リチウムイオン電池関連のステラケミファ(4109)は国内証券の目標株価の引き上げを受けて急伸しています。一方で2016年5月の経常利益と当期利益を下方修正した婦人服のハニーズ(2792)が大幅安となり、過去に不適切な取引で約209億円の資金が流出していたことを発表した王将フードサービス(9936)がストップ安となりました。また、寄り付き前に発表となった2月の鉱工業生産指数で電子部品の生産が大きく減少したことから村田製作所(6981)やローム(6963)、TDK(6762)、アルプス電気(6770)などが大きく売られました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日本市場は円高を嫌気し続落となりました。ドル円の水準が来期の企業業績のカギを握っているだけに、100ドル近いダウ平均の上昇よりも1円余りの円高にマーケットがネガティブに反応するのは当然だといえます。明日以降もドル円の動向には神経質な展開が続きそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)


中国株式市場

上海市場と香港市場ともに大幅上昇  上海総合指数は3,000ポイント回復

上海総合指数:3000.64(+80.81)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20715.43(+349.13)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は好材料が重なったことで大幅に反発し、5日ぶりに節目の3,000ポイントを回復しました。国家外為管理局傘下の投資会社が交通銀行と上海浦東発展銀行の大株主になっていたことから中国政府系の資金で中国株を買い支えてきた国家隊によるA株市場への資金流入期待が高まったうえ、人民元対ドルレートが大幅な元高に設定されたことが好感されました。こうしたなか後場に一段高となった上海総合指数は2.8%上昇し、ほぼ高値引けで取引を終えています。

<香港市場>
香港ハンセン指数は大幅続伸となっています。昨日のイエレン議長のハト派的な発言を受けて米国の早期利上げ懸念が後退し米国株が上昇したことを好感し上昇して始まったハンセン指数はまもなく1.7%高まで買われました。その後も高値圏で堅調に推移したハンセン指数は16時現在でやや上げ幅を広げる展開となっています。日本時間16時時点で商工業株指数、不動産株指数、公益事業株指数、金融事業株指数の4業種の全てが大幅に上昇しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場はほぼ全面高となっています。2015年12月期の純利益が市場予想ほど落ち込まなかった石油大手のシノペック (中国石油化工・00386)が5%超上昇しています。また、昨日に発表した自社株買いが好感されモンニュウデイリー (蒙牛乳業・02319)も買いを集め10%以上値上がりしています。さらに、銀行株が軒並み堅調に推移しています。なかでもバンクオブコミュニ (交通銀行・03328)が市場予想に反して小幅増益となったことや配当が維持されたことなどが好感され2%余り上げているほか、インダコマシャルバンク (中国工商銀行・01398)やコンストラクションバンク (中国建設銀行・00939)なども決算への期待から上げています。米国の利上げぺースが緩やかになるとの見方からサンフンカイプロパ (新鴻基不動産・00016)といった香港系の不動産株も買われています。

一方で、大幅な減益見通しを発表した小売りのベレインターナショナル (百麗国際・01880)が大幅に下落しています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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