市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均は三桁の上昇で始まるも失速し続落 明日は重要な経済指標の発表が目白押し

日本株式市場

日経平均は三桁の上昇で始まるも失速し続落 明日は重要な経済指標の発表が目白押し

【日本株式市場】
1.概況
本日の日本市場で日経平均は昨日の米国株高を好感して三桁の上昇で始まったものの、明日に多くの重要な経済指標の発表を控え買いが続かなかったうえ、年度末の引けにかけてのドレッシング買いもみられず続落となりました。118円高の16,997円で寄り付いた日経平均は直ぐに17,000円を回復し一時150円高余りまで上昇しましたが、17,000円を小幅に超えたところで伸び悩むと上値の重さが嫌気され10時頃から失速し11時前には小幅なマイナスに転じました。その後、昨日終値近辺で推移した日経平均は11円高の16,890円で前場の取引を終えました。後場も上値の重い展開が続きました。前場終値とほぼ同水準で後場をスタートした日経平均は100円高近くまで上昇しましたが、17,000円を前に上値を押さえられたことで弱含むと大引けの10分前にマイナスに転じ引けにかけて下げ幅を広げる展開となりました。結局、日経平均は120円安の16,758円と続落となり安値引けとなっています。また、新興市場では東証マザーズ指数が4日続伸となった一方で、日経ジャスダック平均が3日続落となっています。

2.個別銘柄等
政府が訪日外国人数を2020年に現在の2倍の4000万人、30年には3倍の6000万人に増やす新しい目標を決めたためインバウンド関連の一角が買われました。藤田観光(9722)やラオックス(8202)が大幅高となったほか、民泊関連のアパマンショップホールディングス(8889)やAMBITION(3300)がストップ高となりました。また、東芝(6502)は白物家電子会社の東芝ライフスタイルの株式80.1%を中国家電大手の美的集団に売却することで合意したと発表したことで大幅高となっています。一方でアジアにおけるスマートフォン市場の縮小に伴う投資抑制や北米市場における基地局建設需要の低迷を受けて1月に続いて2度目となる業績の下方修正を発表したアンリツ(6754)が急落し、同じく業績予想を引き下げた大同特殊鋼(5471)も売られました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
明日は朝から晩まで重要なイベントが目白押しです。寄り付き前の8時50分には日銀短観(コンセンサス 大企業製造業DI 8)が、取引時間中の10時と10時45分には政府と民間(財新)の2つの中国の製造業PMIが(政府49.3、財新48.3)、そして夜の21時半に米雇用統計(非農業部門雇用者数20.5万人増、失業率4.9%、平均時給前年比2.2%増)と23時に米ISM製造業景況感指数(50.8)が発表となります。こう着した相場が大きく動き出すきっかけとなるかが注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)


中国株式市場

上海市場は小幅続伸 香港市場は小幅反落

上海総合指数:3003.92(+3.27)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20707.82(-95.57)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に続伸となりました。中国国家外為管理局の傘下企業などの政府系資金が株式を買い支えるとの期待が引き続き相場を支えた一方で、前日に大きく上昇し節目の3,000ポイントを回復したことで利益確定売りが出やすく上値を抑えました。買いが先行した上海総合指数は一時下落に転じ3,000ポイントを割り込む場面もありましたが、下値は限定的で底堅さをみせると結局小幅に上昇して取引を終えています。

<香港市場>
香港ハンセン指数は小幅に反落となっています。昨日の米国株高を受けて続伸して始まったハンセン指数は、明日に中国製造業PMIの発表を控えて様子見ムードが強まるなか、本土系銀行に業績の伸び悩みを嫌気した売りが出てマイナスに転じると軟調な展開が続いています。日本時間16時時点で公益事業株指数が僅かに上昇する一方、商工業株指数と不動産株指数、金融事業株指数の3業種が下落となっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、不良債権の拡大や配当の引き下げなどが嫌気されインダコマシャルバンク (中国工商銀行・01398)やコンストラクションバンク (中国建設銀行・00939)などの本土系の銀行株が売られています。また、2月の香港の民間住宅価格指数が前月比で2%以上下がったことを受けてCKプロパティーズ (長江地産・01113)やサンフンカイプロパ (新鴻基不動産・00016)といった香港系の不動産株も軟調に推移しています。

一方で増益となった2015年12月期決算が好感されレールウェイコンストラクション (中国鉄建・01186)が上昇しました。また、外資系証券が強気の投資判断を維持したことでCRRC (中国中車・01766)も2%余り上げています。さらに、中国の商業不動産大手の大連万達集団傘下のワンダコマーシャル (万達商業・03699)が18%を超える上昇となっています。上場廃止に伴い1株を48香港ドルで買い付けることから、買い付け価格にさや寄せする格好で急伸しました。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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