マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均600円近い大幅安で4日続落 今夜は21時半の雇用統計発表に注目
日本株式市場
日経平均600円近い大幅安で4日続落 今夜は21時半の雇用統計発表に注目
1.概況
本日の日経平均は594円安の1万6164円と大幅に4日続落となりました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場は高安まちまちで材料になりにくいなか、日経平均は39円安と小幅に下落して寄り付きました。寄り付き前に発表された日銀短観で大企業製造業の業況判断指数がプラス6と2015年12月調査のプラス12から大きく悪化するなど、全体的に冴えない内容だったことが嫌気され、日経平均は寄り付きが1日の高値となってその後は下げ幅を広げました。10時に発表された中国の製造業PMIが50.2と改善と悪化の境目となる50を昨年7月以来8ヶ月ぶりに回復したことを受け、日経平均はいったん下げ幅を縮める場面がありましたが、反発は続かずその後は再び下げ幅を広げました。前場を470円安で終えた日経平均は後場に入っても下げ幅を広げると、13時半過ぎには下げ幅が600円を超えました。日経平均は一時645円安まで下落しましたが、引けにかけてやや値を戻し結局594円安での大引けとなりました。東証33業種すべてが下落し、東証1部の値上がり銘柄数は70と全面安の商状でした。東証1部の売買代金は2兆6570億円と昨日から15%ほど増加しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップのトヨタ(7203)は3%下落しました。また、メガバンク3行やソニー(6758)、ファーストリテイリング(9983)はそれぞれ2%~5%台の大幅な下落となりました。また、売買代金4位に入ったパナソニック(6752)は12%強の大幅安となりました。昨日発表した2016年度以降の事業方針において、2016年度の営業利益が2015年度から減益見込みとしたことが嫌気されました。その他材料が出たところでは、ヤマダ電機(9831)は外資系証券が目標株価を引き上げたことが好感され、0.4%高としっかりでした。また、マネーパートナーズグループ(8732)はビットコイン取引所を運営する米企業に出資することで合意したと発表したことを材料に買われ4.5%高となりました。第三者委員会が過去に約260億円の不適切な取引があり、うち約170億円が回収されていないと指摘して以降、大幅安となっていた王将フードサービス(9936)は本日は4.5%高と4日ぶりに反発しました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
冴えない日銀短観の結果を受け2016年度(2017年3月期)の企業業績悪化が改めて意識され、日経平均は大幅安となりました。今夜21時半には米国雇用統計が発表されます。3月の連邦公開市場委員会(FOMC)では今年の利上げ回数が2回であることが示唆されましたが、その時期を決定するうえで引き続き雇用統計は重視されるとみられ注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は小幅続伸 香港市場は大幅続落
上海総合指数:3009.53(+5.61)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20538.38(-238.32)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に3日続伸となりました。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が中国と香港の信用格付け見通しを安定的からネガティブに引き下げたことを嫌気して下げて始まった上海総合指数は一時1.6%安近くまで売られました。しかし、中国製造業PMIが市場予想を大幅に上回る改善をみせたことや、「国家隊」などの政府系資金が株式を買い支えるとの期待が引き続き相場の下支えとなり、午後に切り返すと上海総合指数は引け間際にプラスに転じ節目の3,000ポイントを回復して小幅高で取引を終えました。
<香港市場>
香港ハンセン指数は大幅続落となっています。米格付け会社S&Pによる信用格付見通しの引き下げを嫌気して下落して始まったハンセン指数は、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強まるなか、連休前の持ち高調整の売りも出て下げ幅を広げる展開となり一時1.4%安近くまで下落しました。後場に入り本土市場の持ち直しを受けて下げ幅をやや縮めたものの、引き続き軟調な推移となっています。日本時間16時時点で4業種全てが下げ、不動産株指数と金融事業株指数が1%超下落しているほか、商工業株指数も1%近い下げとなっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、S&Pによる信用格付け見通しの引き下げが嫌気され金融株が軒並み冴えない展開となっています。なかでもピンアンインシュランス (平安保険・02318)やチャイナライフイン (中国人寿保険・02628)といった保険株が大幅に下げているほか、インダコマシャルバンク (中国工商銀行・01398)やコンストラクションバンク (中国建設銀行・00939)などの銀行株も売られています。また、本日発表された3月の中国100都市の住宅価格が前年同月比で7.4%上昇したにもかかわらず、相場の地合いに押されチャイナオーバーシー (中国海外発展・00688)やリソーシズランド (華潤置地・01109)などの不動産株も軟調となっています。
一方で、ゴメエレクトリカル (国美電器・00493)が2%超上昇しています。2015年12月期決算は減益となったものの、一時的要因を除くと増益で本業は堅調との見方から買われました。また、株式市場が大きく下げるなかでディフェンシブ銘柄である電力のCLPホールディングズ (中電控股・00002)が小幅に上昇しています。さらに、相次ぐ強気の投資判断を受けてレールウェイコンスト (中国鉄建・01186)が1%以上上昇しています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)