マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場はアジア・欧州株安の流れを受けて続落 日本市場も円高への警戒感から続落か
NYダウ: 17603.32 ▼133.68 (4/5)
NASDAQ: 4843.93 ▼47.86 (4/5)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はアジア・欧州株安の流れを受けて続落となりました。下げて始まったダウ平均はしばらくして140ドル安余りまで売られると、ISM非製造業景況感指数の改善を受けて一旦持ち直し100ドル以上下げ幅を縮める場面もみられましたが、買いが続かず再び下げ幅を広げ軟調に推移すると引け間際には160ドル安近くまで売られました。結局ダウ平均は133ドル安の17,603ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も47ポイント安の4,843ポイントとなっています。
2.経済指標等
2月の米貿易収支の赤字額は前月比2.6%増の470億6千万ドルとなりました。赤字額は市場予想を上回って昨年8月以来半年ぶりの高水準となっています。また、3月の米ISM非製造業景況感指数は54.5と前月の53.4から改善し市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は10業種全てが下げました。なかでも公益事業が2%近く下落したほか、金融とヘルスケア、情報技術の3業種も1%を超える下げとなっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はファイザー(PFE)とボーイング(BA)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)を除く27銘柄が下げました。シスコシステムズ(CSCO)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が2%近く下げたほか、最高経営責任者(CEO)候補とされていた最高執行責任者(COO)が退任すると発表したウォルト・ディズニー(DIS)も売られました。ダウ平均構成銘柄以外では決算が市場予想に届かなかったドラッグストア大手ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が大きく下げたほか、ファイザーとの合併に不透明感が出たアイルランドの製薬大手アラガン(AGN)が急落しています。一方で薬価つり上げ問題の調査を終えたと発表したカナダの製薬バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナル(VRX)が急伸しています。
5.為替・金利等
長期金利は世界的な株安を受けて安全資産の米国債が買われ0.04%低い1.72%となりました。ドル円は安倍首相が円売り介入に消極的と受け取れる発言をしたと伝わったことで一時109円90銭台を付け2014年10月31日以来およそ1年5カ月ぶりの円高・ドル安水準を付ける場面もありました。朝方は110円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安に加え、ドル円が一時109円台を付けるなど円高への警戒感も強いことから本日の日本市場は続落でのスタートが予想されます。本日もドル円の動向に神経質な展開が続きそうですが、昨日までの6日間で1,400円余り下落し、25日移動平均とのかい離もマイナス6%台となり短期的な売られすぎ感もみられる日経平均が下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)