市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

売り買い交錯するなか日経平均は2012年11月以来の7日続落

日本株式市場

売り買い交錯するなか日経平均は2012年11月以来の7日続落

1.概況
本日の日本市場は売り買い交錯するなか小幅安となり、日経平均は2012年11月以来の7日続落となりました。前日終値を挟んで一進一退でのスタートとなった日経平均は、徐々に売りが優勢になると10時過ぎに120円安近くまで売られました。しかし、15,600円手前で切り返し持ち直すと11時前にプラスに転じ100円高近くまで買われました。やや上げ幅を縮め44円高で前場を終えた日経平均は後場をほぼ同水準でスタートすると、その後は昨日の終値近辺で小動きとなりました。14時前から小幅なマイナス圏での推移が続いた日経平均は結局17円安の15,715円で取引を終えています。また、新興市場では東証マザーズ指数が反発する一方で、日経ジャスダック平均が7日続落となっています。

2.個別銘柄等
ドル円は引き続き110円台での円高基調が続きましたが、自動車株には値ごろ感からの買いで上昇するものもみられました。トヨタ(7203)が小幅高ながら7日ぶりの反発となったほか、日産(7201)やホンダ(7267)も堅調となりました。また、昨日に開催したアナリスト向け説明会を受けてインド事業の成長性を改めて評価した買いが入ったスズキ(7269)が大幅高となり、一時5%以上上昇する場面もみられました。鳥居薬品(4551)は国内で販売を予定する米ギリアド・サイエンシズ(GILD)の抗HIV薬が米食品医薬品局(FDA)から承認を得たことで大幅高となりました。そのほか目標株価の引き上げが好感されグローバルワークなどを展開するカジュアル衣料のアダストリア(2685)や、福岡高裁が川内原発の運転差し止めを求めた住民の訴えを退けたことで九州電力(9508)が大幅高となりました。一方で化学株に大きく下げるものが見られました。石化製品の原料となるエチレンのスポット価格が2月上旬に比べて4割上昇しているとの報道を受けて三井化学(4183)が6%安となったほか、三菱ケミカルホールディングス(4188)も大きく下げました。さらに海外での受注が翌期にずれこむことなどで業績予想を下方修正し当期利益が増益予想から一転して減益予想となった東洋電機製造(6505)が急落しています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日本市場は売り買い交錯となりました。ダウ平均が130ドル以上の下げとなった昨日の米国株安や110円台で推移するドル円の円高を警戒する売りが出る一方で、日経平均が昨日までの6日続落で1,400円余りも下げていたことや、25日移動平均とのかい離もマイナス6%台となっていたことで値ごろ感からの買いも入りました。今晩は年内の利上げ見通しが4回から2回に引き下げられた3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が発表となります。マーケットがドル円の動向にこれまで以上に神経質となっているだけにFOMC議事要旨の結果を受けてドル円に動きがみられるかが注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)


中国株式市場

上海市場は小反落でほぼ横ばい 香港市場は小幅反発

上海総合指数:3050.59(-2.47)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20187.01(+10.01)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は5日ぶりに小幅に反落し、ほぼ横ばいとなりました。昨日までの4日間で4%超上昇していたことから利益確定売りが出たものの、3月の財新・中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)が52.2と前月から改善したことが相場の下支えとなりました。前場に昨日の終値を挟んで揉み合う展開となった上海総合指数は、後場にやや売りが優勢となり一時0.8%安近くまで下落する場面がありました。しかし、その後徐々に下げ幅を縮め結局、小幅安で取引を終えています。

<香港市場>
香港ハンセン指数は小幅に反発しています。昨日の米株安を受けて下落して寄り付いたハンセン指数ですが、3月の財新・中国非製造業PMIの改善が好感され暫くしてプラスに転じると小幅高で揉み合う展開となりました。午後に入り再びマイナスに転じる場面もみられましたが、すぐに持ち直すと堅調に推移しています。日本時間16時時点で公益事業株指数や商工業株指数、不動産株指数が上昇する一方で、金融事業株指数が下落となっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、ギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽・00027)やサンズ・チャイナ(金沙中国・01928)などマカオのカジノ株が上昇しています。マカオの経済財政官が1-3月期のカジノ収入の落ち込みについて、今年の予算上の範囲内との見解を示したことが好感されました。また、食品のワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)などのディフェンシブ銘柄も引き続き買われています。

一方で欧州の銀行最大手のエイチエスビーシー (HSBC・00005)が2%近く下落し年初来安値を更新しました。また、昨日に大きく上昇したエアチャイナ (中国国際航空・00753)やチャイナイースタン (東方航空・00670)などが売られています。さらに、原油の増産凍結で合意できるとの観測を好感しペトロチャイナ(中国石油天然気・00857)は買いが先行したものの、買いが続かず小幅に下落しています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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