マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は原油高やハト派的なFOMC議事要旨を受けて反発 日本市場は反発でのスタートか
NYダウ: 17716.05 △112.73 (4/6)
NASDAQ: 4920.72 △76.78 (4/6)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は、原油高やハト派的なFOMC議事要旨を受けて3日ぶりの反発となりました。午前中に60ドル安まで下落したダウ平均ですが、底堅さをみせると切り返しプラスに転じて堅調な展開となりました。FOMC議事要旨発表後に金融セクターに売りが出て前日終値近辺まで売られる場面もありましたが、直ぐに持ち直すと引け間際には120ドル高まで買われました。結局ダウ平均は112ドル高の17,716ドルと高値圏で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も76ポイント高の4,920ポイントとなり、年初来高値を更新しています。
2.経済指標等
3月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、4月に利上げが必要になるかどうか討議されたものの、世界的な景気減速に伴うリスクが出ていることで慎重なアプローチが必要との見方で意見が一致していたことが明らかになりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち8業種が上げました。なかでもヘルスケアとエネルギーが2%を超える上昇となったほか、情報技術と一般消費財・サービスが1%前後の上昇となっています。一方で公益事業と電気通信サービスが下げ、公益事業は1%安となっています。
4.個別銘柄動向
合併見送りを発表した製薬大手のファイザー(PFE)とアイルランドのアラガン(AGN)が目先の財務負担の軽減を見込んだ買いからともに大きく上昇しました。ファイザーはダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。また、決算が市場予想を上回ったビール・ワイン大手のコンステレーション・ブランズ(STZ)が大幅高となっています。決算で売上高などが市場予想を下回った種子・農業製品のモンサント(MON)は売りが先行したものの、CEOが今後は成長機会として大規模なM&Aを模索しないなどと述べたと伝わると経営方針の転換を好感した買いが入り小幅に上昇して取引を終えています。
5.為替・金利等
長期金利は米国株高を受けて安全資産の米国債が売られ0.03%高い1.75%となりました。ドル円はハト派的なFOMC議事要旨を受けて109円30銭台まで円高が進む場面もありました。朝方は109円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
ドル円が円高となっているものの、米国株高を好感した買いや値ごろ感からの買いから本日の日本市場は反発してのスタートが予想されます。売り買い交錯となりやすいなかで3年5カ月ぶりに7日続落となった日経平均が下げ止まるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)