マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均8日ぶりに小幅反発 明日はファーストリテイリングに注目
日本株式市場
日経平均8日ぶりに小幅反発 明日はファーストリテイリングに注目
1.概況
本日の日経平均は34円高の1万5749円と小幅に上昇し8日ぶりに反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場が上昇した一方、ドル円が109円台後半まで円高に振れるという強弱まちまちな材料を受け、日経平均は23円高と小幅に高く寄り付きました。寄り付き後に日経平均はマイナスに転じる場面がありましたがすぐに切り返すと、再びプラスに転じその後は上げ幅を拡大しました。昨日まで7日続落で値ごろ感も出ていたためか、日経平均は10時前に上げ幅を150円超まで広げましたが、じわじわと円高が進むと日経平均も徐々に上げ幅を縮め、前引け間際にマイナスに転じました。後場寄り後に80円安近くまで下落した日経平均ですがすぐに下げ幅を縮めると、その後は前日終値を挟んでのもみ合いとなりました。引けにかけてやや上げ幅を広げ、結局小幅高での大引けとなりました。東証33業種は医薬品や石油石炭製品、鉱業など23業種が上昇した一方で小売業や保険業など10業種が下げました。東証1部の売買代金は2兆898億円と昨日から1%ほど減少しています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)は1.7%上昇し、5日続伸となりました。一方売買代金2位のトヨタ自動車(7203)は円高が重石となり反落し、年初来安値を更新しました。売買代金3位のセブン&アイ・ホールディングス(3382)は、経営者間での対立が報じられ、今後の不透明感の高まりが嫌気され一時は9%近く下落していましたが、セブン-イレブン・ジャパンの井阪社長を交代する人事案が否決され、鈴木敏文セブン&アイ・ホールディングス会長の退任が報じられると株価は急速に値を戻し、結局1.6%安となりました。また、本日は医薬品の上昇が目立ちました。大手証券が目標株価を引き上げた小野薬品工業(4528)が2.6%高となったほか、外資系証券が投資判断を引き上げたエーザイ(4523)は6.8%の大幅高となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均はかろうじて反発となったものの、ドル円が108円台まで円高が進むなど外部環境は好転していません。こうしたなか本日の大引け後にファーストリテイリング(9983)が通期業績の大幅下方修正を発表しました。明日は下落する可能性が高そうで、日経平均への寄与度が高い銘柄だけに市場心理を一層悪くする可能性もありそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は大幅続落 香港市場は小幅続伸
上海総合指数:3008.42(-42.17)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20257.23(+50.56)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅に続落となりました。中国の国務院が昨日にネットを活用して流通革命と創業を促す「インターネット+流通」推進策の実施を決めたことから買いが先行した上海総合指数ですが、利益確定売りに押されしばらくしてマイナスに転じると一時下げ幅を1.3%安近くまで広げました。その後は一時持ち直す場面もみられたものの、積極的な買いが限定的で引けにかけて下げ幅を再び拡大し、結局上海総合指数は1.4%近い下落でほぼ安値引けとなりました。
<香港市場>
香港ハンセン指数は小幅に続伸となっています。昨日の米株高や原油価格の大幅上昇が好感されハンセン指数は上昇して寄り付くとまもなく0.8%高まで買われました。その後は本土市場の伸び悩みが重石となり、上げ幅を縮めると一時下落に転じる場面もみられましたが、底堅さをみせると後場に再びプラスに持ち直し、その後は小幅高での推移が続いています。日本時間16時時点で公益事業株指数や商工業株指数、不動産株指数が上昇している一方、金融事業株指数が下落となっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、原油価格の大幅上昇が好感されシノック(中国海洋石油・00883)が2%上昇しているほか、クンルンエネルギー (昆侖能源・00135)も1%以上値上がりするなど、堅調なエネルギー関連株が相場を押し上げています。また、中国政府による「インターネット+流通」推進策が材料視され値嵩株のテンセント (騰訊控股・00700)が1%を超える上げとなっています。連日で下げていたエイチエスビーシー (HSBC・00005)がほぼ横ばいで下げ止まっています。HSBCを含む英銀大手3社が支店の閉店を進めるとの報道がコスト削減で材料視されたほか、値ごろ感で押し目買いも入りました。
一方で、本日取引を再開したゼットティーイー (中興通訊・00763)が急落しています。2015年12月期本決算が市場予想を下回ったことや投資判断の引き下げなどが嫌気されました。また、一部の金融関連の株も芳しくない展開となっています。なかでもピンアンインシュランス (平安保険・02318)やチャイナライフイン (中国人寿保険・02628)といった保険株が大幅に下げているほか、インダコマシャルバンク (中国工商銀行・01398)やコンストラクションバンク (中国建設銀行・00939)などの本土系銀行株も売られています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)