市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均ファーストリテイリングの大幅下落を乗り越え小幅に続伸 

日本株式市場

日経平均ファーストリテイリングの大幅下落を乗り越え小幅に続伸 

1.概況
本日の日経平均は71円高の1万5821円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。日経平均の上昇率0.5%に対しTOPIXは1.2%、マザーズ指数は4.8%の高い上昇率となりました。米国株の下落およびドル円が108円台前半まで円高に振れたことを受け、日経平均は152円安と反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後も下げ幅を広げ、一時280円安近くまで下落する場面がありましたが、ドル円がやや円安に戻したことを受け日経平均も下げ幅を縮めました。前場を88円安で終えた日経平均は後場からほぼ前日終値近辺まで値を戻すと13時過ぎにプラスに転じました。その後も上げ幅を広げた日経平均は14時半頃に280円高近くまで上げ幅を広げ本日の高値をつけました。その後は引けにかけて急速に上げ幅を縮めた日経平均ですが、小幅に続伸して取引を終えています。東証1部の売買代金は2兆5798億円と昨日から2割以上増加しました。東証33業種は不動産業を除く32業種が上昇しました。中でもガラス土石製品、機械、水産・農林業、鉄鋼、石油石炭製品の5業種が2%を超える上昇となりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入ったトヨタ自動車(7203)は、一時は3%安まで下落しましたが終値では0.8%高と反発しました。売買代金2位に入ったファーストリテイリング(9983)は12.7%の大幅安で日経平均を150円超引き下げました。昨日の大引け後に発表した2016年8月期の中間決算で営業利益が前年同期比3割超の減益となったうえ、通期の営業利益予想を従来の1800億円から1200億円に大幅に引き下げたこと、またあわせて今期の配当予想も引き下げたことが嫌気されました。また、昨日鈴木敏文代表取締役会長の退任を発表したセブン&アイ・ホールディングス(3382)は売買代金4位の商いを伴って3.7%高と反発しました。メガバンク3行も1.5%~2.5%高としっかりでした。また、ビックカメラ(3048)は中間期の営業利益予想を従来の91億円から117億円に引き上げたことが好感され、9%超の大幅高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
一時は280円安近くまで下落した日経平均ですが、為替が円安に振れたことで空売りの買い戻し等が出たとみられ一転して280円高近くまで上昇しました。ただ、目先の底をつけたどうかは不透明で来週もドル円の動向を見ながら神経質な展開が続きそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は続落 香港市場は反落

上海総合指数:2984.96(-23.46)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20169.59(-28.70)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は7日ぶりに節目の3,000ポイントを割り込んで続落となりました。企業の大株主による保有株売却の規制解除を巡る思惑に加え、週末ということもあり、節目の3,000ポイントを割り込んで寄り付いた上海総合指数は、1日を通じて安値圏で軟調な推移となりました。とりわけ後場に入ると一段安となり一時1.6%安近く売られましたが、引けにかけて下げ幅をやや縮めて結局上海総合指数は0.8%近い下落で取引を終えています。なお、昨日に発表された中国の3月の外貨準備高が3兆2100億元と5カ月ぶりに増加に転じたものの相場への影響は限定的でした。

<香港市場>
香港ハンセン指数は反落となっています。昨日の米株安や原油価格の反落が嫌気され下落してスタートしたハンセン指数は、本土市場の冴えない展開を受けてまもなく1%安余りまで売られました。しかし、節目の2万ポイントが下支えとして意識されやや持ち直すとその後は安値圏での揉み合いが続いています。日本時間16時時点で不動産株指数が小幅に上昇している一方、公益事業株指数や商工業株指数、金融事業株指数が下落となっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、原油価格の下落を受けてシェンホアエネルギー (神華能源・01088)やペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)などが軟調に推移しています。また、連日上昇していた値嵩株のテンセント (騰訊控股・00700)は利益確定売りが膨らみ、1%超下落しています。欧州の銀行最大手のエイチエスビーシー (HSBC・00005)が続落し、連日で年初来安値を更新しています。さらに、中国のインフラ建設大手のチャイナレールウェイ (中国中鉄・00390)が国内外で計26件の大規模プロジェクトを受注したと発表したことが好感され、一時1%超上昇する場面がありましたが、ほぼ横ばいとなっています。

一方で、民営自動車メーカーであるジーリーオート (吉利汽車・00175)は2016年3月の新車販売台数が前年同月比3%増加したことから2%以上値上がりしています。また、食品のワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)などのディフェンシブ銘柄も買われています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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