マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週末の米国市場は原油価格の上昇を受けて小幅反発 日本市場は小動きでのスタートか
NYダウ: 17576.96 △35.00 (4/8)
NASDAQ: 4850.69 △2.32 (4/8)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は、在庫統計で原油在庫が市場予想に反して減ったことや、米国での原油油掘削の稼働設備の減少などを受けての原油価格の上昇を好感し小幅に反発しました。取引開始後しばらくして150ドル高余りまで買われたダウ平均は徐々に上げ幅を縮めると取引終盤には小幅なマイナスに転じる場面もありました。引けにかけてやや持ち直したダウ平均は結局35ドル高の17,576ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も2ポイント高の4,850ポイントとなっています。
2.経済指標等
2月の米卸売在庫は前月比0.5%減と5カ月連続のマイナスとなり市場予想を下回りました。また、2月の米卸売売上高も同0.2%減となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうちヘルスケアと一般消費財・サービスを除く8業種が上げました、なかでもエネルギーが2%高となったほか、素材も1%近く上げています。
4.個別銘柄動向
原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)やエクソンモービル(XOM)、ベーカー・ヒューズ(BHI)といったエネルギー関連企業が買われました。また、物言う株主で知られるヘッジファンドが経営陣に向けて改善を求める書簡を送ったのを受けて製薬のデポメッド(DEPO)が大幅高となったほか、コーニング(GLW)が買収すると発表した光学機器のアライアンス・ファイバー・オプティック・プロダクツ(AFOP)が急伸しています。一方で3月の既存店売上高が予想以上に減少したギャップ(GPS)が急落し、同業のLブランズ(LB)やコーチ(COH)もつれ安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は原油価格の上昇を受けて安全資産の米国債が売られ前日比0.02%高い1.71%となりました。ドル円は午前中に一時108円90銭台まで円安が進む場面もありましたが、米国株が弱含むと午後にかけて円買いが優勢となりました。朝方は108円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国市場が小幅に上昇する一方で、ドル円が引き続き108円台前半で推移するなど、強弱材料が入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日もドル円の動向をにらみながら売り買い交錯となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)