マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均反落も安値からは値を戻す 今週は14日からのG20会合に注目
日本株式市場
日経平均反落も安値からは値を戻す 今週は14日からのG20会合に注目
1.概況
本日の日経平均は70円安の1万5751円と3日ぶりに反落しました。TOPIXやJPX日経400も下落した一方で、新興市場のマザーズ指数は3.2%の大幅上昇で4日続伸となりました。先週末の米国市場は小幅に上昇したものの、ドル円が108円台前半まで円高に振れたことを受け、日経平均は59円安の1万5761円と反落して寄り付くと寄り付き後も下げ幅を広げました。ドル円が107円台まで円高に振れたことも嫌気されて、日経平均は10時過ぎに296円安と本日の安値をつけました。やや値を戻し前場を201円安で引けた日経平均は、後場寄りからさらに下げ幅を縮めました。その後再び240円安余りまで値を下げた日経平均ですが、13時半過ぎから引けにかけてはほぼ一本調子で値を戻し、一時は42円安となる場面がありました。日経平均は結局70円安の1万5751円と安値からは大きく値を戻しての大引けとなりました。東証33業種は石油石炭製品や海運業、ガラス土石製品など7業種が上昇しました。円高進行が嫌気されて輸送用機器は2.4%の下落と騰落率最下位となっています。東証1部の売買代金は1兆8604億円と活況の目安とされる2兆円を割り込み低調でした。
2.個別銘柄等
止まらぬ円高進行を受けトヨタ自動車(7203)が3.5%安と大きく売られたほか、富士重工業(7270)が1.3%安、日産自動車(7201)が1.7%安など自動車各社は総じて売られました。月末の金融政策決定会合で日銀がマイナス金利幅を拡大する懸念からか、メガバンク3行は揃って1.7%~2.5%の下げとなりました。また、業績予想の下方修正を受け先週末に大きく売られたファーストリテイリング(9983)は本日は0.8%高と反発しました。その他材料が出たところでは、スマートフォン向けゲームを手がけるgumi(3903)がストップ高となりました。新作ゲームの事前登録を開始したと発表したことが材料視されたようです。また、ヤクルト本社(2267)は商品の値上げを実施すると発表したことで今後の業績改善期待が高まり8.4%の大幅高となりました。一方、人材派遣のパソナ(2168)は通期業績予想を下方修正したことから売られ13%近い大幅安となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は反落となったものの、大幅安からは下げ幅を縮める底堅さを見せました。今週は14日からG20財務相・中央銀行総裁会議が開催されます。円高是正に繋がる発表などがあるか注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は大幅反発 香港市場は小幅続伸
上海総合指数:3033.96(+49.00)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20408.54(+38.14)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は反発し節目の3,000ポイントを回復しました。とりわけ、先週末に中国証券監督当局の中国証券監督管理委員会(証監会)が証券会社に対するリスク管理の指標の改定を公表したことや、中国鉄鋼企画フォーラムで政府の官僚の発言を受けて鉄鋼企業の改革が加速するとの期待などから、政策の恩恵を受ける証券株と鉄鋼株が大きく買われ、相場を押し上げました。また、3月の中国の工業製品出荷価格(PPI)の前年比の下落幅が14カ月ぶりの低水準となったほか、前月比で26カ月ぶりにプラスに転じるなど、内容に改善がみられたことも好感されました。こうしたなか、節目の3,000ポイントを回復して始まった上海総合指数は、1日を通じて堅調な推移が続き、結局1.6%高で取引を終えています。
<香港市場>
香港ハンセン指数は小幅に続伸となっています。先週末まで3日続伸となったことから利益確定売りに押され下落して寄り付いたハンセン指数は、中国のPPIの改善や上海総合指数が節目の3,000ポイントを回復したことなどを好感し、まもなく下げ幅を縮めプラスに転じました。その後は一時0.9%高近くまで買われる場面もみられましたが、上値が伸び悩むと小幅高での展開となっています。日本時間16時時点で不動産株指数が1%超上昇しているほか、金融事業株指数及び商工業株指数も上げています。一方で、公益事業株指数は小幅に下落となっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、原油価格の上昇を受けてシェンホアエネルギー (神華能源・01088)が4%近く上昇しているほか、シノック(中国海洋石油・00883)が1%超上げるなど、エネルギー関連株が賑わっています。また、3月の不動産販売額が68%増となった不動産のリソーシズランド (華潤置地・01109)が1%以上値上がりしています。更に、河南省政府と都市開発やインフラ建設について戦略提携することで合意したことが好感され、中国のインフラ建設大手のチャイナレールウェイ (中国中鉄・00390)が一時1.5%高まで買われる場面がみられたものの、伸び悩むとほぼ横ばいとなっています。
一方で、相次ぐ弱気な投資判断を受けてバンクイーストアジア (東亜銀行・00023)が大幅に下落しています。また、先週に大きく上昇していた食品のティンイー (康師傅・00322)や電力のパワーアセット (電能実業・00006)などのディフェンシブ銘柄も軟調推移となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)