マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は買い先行も引けにかけて失速し小幅反落 日本市場は買い材料に乏しく軟調なスタートか
NYダウ: 17556.41 ▼20.55 (4/11)
NASDAQ: 4833.40 ▼17.29 (4/11)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は小幅反落となりました。WTIの先物価格が40ドル台を回復した原油価格の上昇を好感して取引開始後しばらくして150ドル高余りまで買われたダウ平均ですが、決算発表の本格化を控えて積極的な買いが続かず上げ幅を縮めると引けにかけてマイナスに転じました。結局ダウ平均は20ドル安の17,556ドルで取引を終えました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も17ポイント安の4,833ポイントとなっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち生活必需品やヘルスケア、電気通信サービスなどの8業種が下げました。一方で素材と金融の2業種が上げています。
4.個別銘柄動向
慎重な業績見通しを示したレンタカーのハーツ・グローバル・ホールディングス(HTZ)が急落したほか、配当を引き下げると発表した油田掘削・石油生産設備のナショナル・オイルウェル・バーコ(NOV)も大幅安となりました。また、カナディアン・パシフィック(CP)が買収提案を取り下げると発表したことで鉄道輸送のノーフォーク・サザン・コーポレーション(NSC)が売られました。カナディアン・パシフィックは買収を取りやめたことで財務負担への懸念がなくなり大幅高となっています。さらに住宅ローン担保証券(MBS)に投資する不動産投資信託(REIT)のアナリー・キャピタル・マネジメント(NLY)が買収すると発表した同業のハテラス・ファイナンシャル(HTS)が買収価格にさや寄せする格好で急伸しています。
5.為替・金利等
長期金利は原油価格の上昇を受けて安全資産の米国債が売られ0.01%高い1.72%となりました。ドル円は原油価格の上昇を受けて一時108円台を付ける場面もありましたが、朝方は107円90銭台での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が反落となったことや、ドル円も引き続き107円台後半での推移となるなど、買い材料に乏しいことから本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。本日もドル円の動向に神経質な展開となりそうで、昨日に2兆円を割り込んだ東証1部の売買代金に回復がみられるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)