市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均177円高と反発 銀行や証券、鉄鋼などこれまで売られてきたセクターの上昇目立つ

日本株式市場

日経平均177円高と反発 銀行や証券、鉄鋼などこれまで売られてきたセクターの上昇目立つ

1.概況
本日の日経平均は177円高の1万5928円と反発しました。TOPIXやJPX日経400も上昇した一方、新興市場のマザーズ指数は2.1%安と反落しました。昨日の米国市場が小幅安となり、ドル円も107円台での推移となるなど買い材料に乏しい中日経平均は31円安の1万5719円で寄り付きました。日経平均は60円安近くまで下げ幅を広げた後はすぐに切り返しまもなくプラスに転じました。ドル円が108円台まで円安に戻したことを受け日経平均はその後も上げ幅を広げると、前場を186円高とその時点の高値圏で終えました。後場に入っても同水準での推移が続いた日経平均は、引け間際に本日の高値をつけるとそのまま高値圏で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆848億円と活況の目安とされる2兆円を回復しました。東証33業種は27業種が上昇しました。中でも銀行業が5.3%高、証券商品先物が5%高となり、その他にも鉄鋼や海運が上昇率上位となるなどこれまで売られてきたセクターの買い戻しが目立ちました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに小野薬品(4528)が入り4.8%の大幅高で年初来高値を更新しました。肺ガンの治療薬である「オプジーボ」の今期の売上が前期実績の約6倍となる1260億円と発表したことで、業績拡大期待が高まり買われました。売買代金2位のトヨタ自動車(7203)が4%近く上昇、3位の三菱UFJ(8306)は5.9%高となりました。三井住友(8316)、みずほ(8411)もそれぞれ5%台前半の大幅な上昇となっています。また、証券最大手の野村ホールディングス(8604)は欧州株式ビジネスからの撤退と人員削減を計画していると伝わり、7.4%の大幅高となっています。また、宝飾品販売のヨンドシーホールディングス(8008)は昨日の大引け後に発表した前期決算が上振れて着地したことに加え、今期も増益予想としたことが好感され13%の大幅上昇となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は反発しました。本日の業種別騰落率を見ると銀行業、証券商品先物、鉄鋼、海運業、輸送用機器など足元まで大きく売られてきたセクターの買い戻しが目立ちました。一方で水産・農林業や食料品、陸運業など堅調だったディフェンシブセクターが売られています。また年初来高値を更新していたマザーズ指数も本日は2%超下落しました。明日以降も本日と同様の傾向が続き物色動向に変化が見られるか注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は小幅反落 香港市場は小幅続伸

上海総合指数:3023.65(-10.31)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20530.45(+89.64)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に反落しました。寄り付き直後に一時プラスに転じる場面がみられた上海総合指数ですが、昨日に大きく上昇したことから利益確定売りに押され、すぐにマイナス圏に沈むと下げ幅を徐々に広げ一時節目の3,000ポイントの近辺まで売られました。その後はやや買い戻されたものの、プラスに転じることができず、結局上海総合指数は0.3%安で取引を終えています。なお、李克強首相が前日の経済情勢に関する座談会で、減税などで安定した経済成長を目指す方針を示したほか、過剰供給体質の調整など構造改革を一段と進めると明言しましたが、相場への影響は限定的でした。

<香港市場>
香港ハンセン指数は小幅に続伸となっています。買いが先行したハンセン指数はまもなくマイナスに転じる場面がありましたが、政府の構造改革の恩恵を受けるとの期待から買いが集まった鉄鋼株や建設株などが相場の支えとなり、すぐに持ち直すと小幅高で揉み合う展開となっています。日本時間16時時点で公益事業株指数をはじめ、不動産株指数、商工業株指数、金融事業株指数4業種の全てが上昇しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、好決算を受けてピンアンインシュラ (平安保険・02318)が小幅に上昇しています。また、2016年1-3月期の新規受注額が前年同期比16.4%増となったことが好感され、中国のインフラ建設大手のレールウェイコンスト (中国鉄建・01186)が4%近く値上がりしています。さらに、先週末に発表された政府による構造改革の恩恵が引き続き期待されていることに加え、中国の3月のPPIの下落幅が縮小したことを受けてデフレ圧力が和らいでいるとの見方が広がり、鉄鋼株などが大幅に上昇しています。なかでもアンガンスチール (鞍鋼・00347)が一時9%高まで買われる場面がありました。2016年3月の営業収益が前年同月比32.1%減となったことも嫌気されハイトンセキュリティ (海通証券・06837)が一時1%安まで下落する場面がありましたが、持ち直すとプラスに転じ小幅高となっています。

一方で、通信大手のチャイナユニコムホン (中国聯通・00762)が1%超の下落でハンセン指数採用銘柄のうち値下がり率首位となっています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

バックナンバー


マネックスレポート一覧

当社の口座開設・維持費は無料です。口座開設にあたっては、「契約締結前交付書面」で内容をよくご確認ください。
当社は、本書の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本書の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。本書の内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。

利益相反に関する開示事項

当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、ならびに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。