マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は原油高を好感し大幅反発 日本市場は円高一服もあり続伸か
NYダウ: 17721.25 △164.84 (4/12)
NASDAQ: 4872.09 △38.69 (4/12)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は、サウジアラビアとロシアが増産凍結で一致したとの報道を受けての原油価格の上昇を好感して大幅反発となりました。国際通貨基金(IMF)が2016年の世界経済の成長率見通しを下方修正したこともあって朝方に小幅なマイナスとなる場面もあったダウ平均ですが、切り返し上げ幅を広げ堅調に推移すると取引終盤には190ドル高近くまで買われました。結局ダウ平均は164ドル高の17,721ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は38ポイント高の4,872ポイントとなっています。
2.経済指標等
3月の輸入物価指数は前月比0.2%上昇し9カ月ぶりのプラスとなりましたが、市場予想は下回りました。一方で輸出物価は前月比横ばいで市場予想を上回っています。また、3月の米財政収支は1080億ドルの赤字となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は10業種全てが上げました。なかでもエネルギーが2%を超える上昇となったほか、金融と素材も1%を上回る上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが上げました。なかでも原油高を受けてシェブロン(CVX)が2%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、ウォルマート・ストアーズ(WMT)も2%高となっています。ダウ平均構成銘柄以外では同業大手の株式を取得すると発表したアリババ集団(BABA)が堅調で、米食品医薬品局(FDA)から慢性リンパ性白血病治療薬の承認を受けたと発表したバイオ製薬大手のアッヴィ(ABBV)が買われました。一方、決算で売上高が市場予想を下回った非鉄大手のアルコア(AA)や、1-3月期の売上高見通しを下方修正したネットワーク機器のジュニパーネットワークス(JNPR)が売られました。また、投資判断引き下げを受けてスターバックス(SBUX)も下げています。
5.為替・金利等
長期金利は原油高や株高を受けて安全資産の米国債が売られ0.05%高い1.77%となりました。ドル円はやや円安となり朝方は108円台半ばでの推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高に加え、円高も一服となっていることから本日の日本市場は続伸でのスタートが予想されます。日経平均は節目の16,000円を回復しそうで、16,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)