マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は金融株が買われ大幅続伸 日本市場は米国株高と円安で続伸か
NYダウ: 17908.28 △187.03 (4/13)
NASDAQ: 4947.42 △75.33 (4/13)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はアジアや欧州の株高に加え、市場予想を上回ったJPモルガン・チェース(JPM)の決算を好感し金融株に買いが入り大幅続伸となりました。取引開始直後から大きく上昇したダウ平均は一日を通して上げ幅を広げ引け間際に200ドル高近くまで買われると、結局187ドル高の17,908ドルと年初来高値を更新して取引を終えました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も75ポイント高の4,947ポイントとこちらも年初来高値を付けています。
2.経済指標等
3月の米小売売上高は前月比0.3%減となり増加を見込んでいた市場予想を下回りました。変動が大きい自動車・同部品を除く売上高も0.2%増で市場予想を下回っています。 また、3月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%低下し2カ月連続のマイナスとなり上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。2月の米企業在庫は前月比0.1%減となり市場予想と一致しています。米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は、米経済活動は引き続き拡大したとしています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち7業種が上げ、金融が2%を超える上昇となったほか、情報技術、資本財・サービス、一般消費財・サービス、素材も1%を上回る上昇となりました。一方で3業種が下げ、電気通信サービスが1%安となっています。
4.個別銘柄動向
1-3月期決算が減収減益となったものの、1株利益が市場予想を上回ったJPモルガン・チェースが4%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、ゴールドマン・サックス(GS)も3%を上回る上昇となりました。また、中国貿易統計で輸出が市場予想を上回ったことからキャタピラー(CAT)が4%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では自社株買いを発表した自動車部品のデルファイ・オートモーティブ(DLPH)や、旅客輸送実績が前年から伸びた格安航空会社(LCC)大手のジェットブルー(JBLU)が大幅高となっています。一方で英食品大手プレミアフーズへの買収提案を撤回したと発表したスパイス・調味料のマコーミック(MKC)が下げています。
5.為替・金利等
長期金利は米小売売上高が予想を下回ったことなどから0.01%低い1.76%となりました。ドル円は世界的な株高となるなかドルが買われ円安となっています。朝方は109円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高に加え、ドル円も円安となっていることから本日の日本市場は続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の16,500円を上回りそうで、昨日は上値を押さえられた一目均衡表の雲の下限(16,407円)を抜けてくることになりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)