マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米株高と円安を受け日経平均500円超の大幅続伸
日本株式市場
米株高と円安を受け日経平均500円超の大幅続伸
1.概況
本日の日経平均は529円高の1万6911円と大幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場が上昇し、ドル円が109円台まで円安に振れたことを受け、日経平均は248円高と大幅に続伸して寄り付きました。日経平均は寄り付き後も昨日の勢いそのままに徐々に上げ幅を広げると、前場を400円高で終えました。後場に入っても上昇の勢いは衰えず一段高となった日経平均は、まもなく上げ幅が500円を超えました。日経平均は昨日からの2日間の上げ幅が1,000円近くなり利益確定売りが出たのか14時過ぎから一時上げ幅を縮めましたが、引けにかけて再び買われ、結局高値引けで取引を終えました。東証1部の値上がり銘柄数は全体の9割超となり、東証33業種全てが上昇しました。中でも保険業、鉄鋼、ガラス土石製品、パルプ・紙、陸運業、不動産業の6業種は4%を超える大幅上昇となっています。東証1部の売買代金は2兆6689億円と昨日から1割超増加しています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップのトヨタ自動車(7203)は3.3%高と大幅に続伸しました。一方売買代金2位に入った小野薬品(4528)は連日大幅高が続いたことで利益確定売りが出て4.5%安と6日ぶりに反落しました。その他メガバンク3行が揃って3%前後の上昇となるなど売買代金上位銘柄は堅調な値動きの銘柄が目立ちました。その他材料が出たところでは、ファミリーレストランを展開するサイゼリヤ(7581)が9%近く急落し年初来安値を更新しました。昨日発表した中間決算で、成長期待の高いアジアセグメントの利益が減益となったことが嫌気されたようです。また、中古車買い取り大手のガリバーインターナショナル(7599)は、外資系証券が投資判断を引き下げたことが嫌気されて13%近い急落となりました。一方、昨日の大引け後に2016年3月期の業績が従来予想より上振れそうだと発表したソフトバンク・テクノロジー(4726)は、11%高と急伸しました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
リスクオンムードが一気に強まった日本市場は、大幅続伸となりました。日経平均は既に1万7000円回復が視野に入っていますが、依然として米ドル円は109円台の円高水準であり、この水準では2016年度の企業業績に対して強気になれないため、株価が一段高となるためには一段の円安が必要ではないかとみています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は続伸 香港市場は7日続伸
上海総合指数:3082.36(+15.72)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):21318.15(+159.44)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は続伸しました。昨日発表された中国の輸出と輸入が市場予想を上回って改善したことが引き続き好感され上海総合指数は上昇して寄り付くと、一時0.7%高近くまで買われました。しかし、明日に1-3月期GDPや鉱工業生産などの主要経済指標の発表を控え様子見ムードが強まったほか、昨日に大きく上昇したことで利益確定売りも出て、上げ幅を縮めるとその後は昨日の終値を挟んで揉み合う展開となりました。引けにかけて、買いがやや優勢となり、結局上海総合指数は0.5%高と続伸で取引を終えています。
<香港市場>
香港ハンセン指数は7日続伸となっています。昨日の欧米株の上昇を受けて買いが先行し一時1.7%高近くまで上昇したハンセン指数ですが、明日の中国の主要経済指標を見極めたいとの思惑に加え、本土市場の伸び悩みも重石となり、買いが続かず上げ幅をやや縮めました。但し、数年来の安値圏にある金融株が大きく買われ相場の下支えとなって堅調な推移が続きプラス圏で揉み合う展開となっています。日本時間16時時点で4業種全てが上げ、なかでも金融事業株指数が1%余り上昇しているほか、不動産株指数や公益事業株指数、商工業株指数も小幅に上げています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、中国本土の株式相場の改善に伴う運用益増加期待から中国保険のチャイナライフイン (中国人寿保険・02628)及びピンアンインシュランス (平安保険・02318)が大幅に上昇しています。前日の欧米市場での金融株高が好感され、欧州の銀行最大手のエイチエスビーシー (HSBC・00005)が続伸しています。また、3月の売上高が引き続き好感されBAICモーター (北京汽車・01958)が1%以上値上がりしています。更に、不動産会社のスワイヤパシエー (太古A・00019)が1%近く買われています。香港の高級物件が値引き効果から2時間で完売したことが買い手掛かりとなりました。
一方で、商社のリーアンドフン (利豊・00494)は1%超売られています。一部事業の売却を検討していると発表したことが売り材料視されました。また、原油価格が小幅に下落したことから、クンルンエネルギー (昆侖能源・00135)やシノック(中国海洋石油・00883)なども軟調推移となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)