市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

先週末の米国市場は原油安などで下落 日本市場は続落 産油国が原油増産凍結で合意できなかったことも重石に

NYダウ: 17897.46  ▼28.97 (4/15)
NASDAQ: 4938.22  ▼7.67 (4/15)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は原油安を嫌気した売りや、利益確定の売りに押され下落しました。午前中は前日終値を挟んで揉み合う場面も目立ちましたが、午後には売りが優勢となり一時60ドル安近くまで売られる場面もありました。引けにかけてやや持ち直したダウ平均は結局28ドル安の17,897ドルと4日ぶりに反落して取引を終えました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は7ポイント安の4,938ポイントと続落となっています。

2.経済指標等
4月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は89.7となり3月の91.0から低下し市場予想を下回りました。また、3月の米鉱工業生産は前月比0.6%低下し2カ月連続のマイナスとなり市場予想を下回りました。3月の米設備稼働率は前月比0.5ポイント低下の74.8%で市場予想を下回っています。一方で4月のニューヨーク連銀の製造業景況指数は9.56と前月の0.62から上昇し市場予想を上回り2015年1月以来の高水準となりました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうちエネルギーや情報技術など4業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となりました。一方で公益事業や生活必需品、素材などの6業種が上げています。

4.個別銘柄動向
4-6月期も3割程度の減産を継続すると伝わったことでアップル(AAPL)が2%安となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、決算で1株利益が市場予想を上回ったシティグループ(C)は買いが先行したものの、利益確定の売りに押され下げて取引を終えました。通信機器のポリコムを約19億6000万ドルで買収すると発表した通信プロバイダーのマイテル・ネットワークス(MITL)が急落しています。一方でダウ平均構成銘柄では保険のトラベラーズ(TRV)やコカ・コーラ(KO)、マイクロソフト(MSFT)などが堅調でした。

5.為替・金利等
長期金利は市場予想を下回る低調な米経済指標の発表が目立ったことから米国債が買われ前日比0.04%低い1.75%となりました。こうしたなかドル円ではドル売りが優勢となり円高に振れました。朝方は108円台前半での推移となっています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安や円高、原油安といった外部環境の悪化を受けて続落でのスタートが予想されます。産油国が17日にカタールで開いた会合で原油増産凍結に合意できなかったことから時間外での原油価格の動向や、14日-15日に開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でのルー米財務長官の発言を受けて円高をめぐる日米の温度差が明らかとなったことからドル円の動向に神経質な展開となりそうで、こうしたなか日経平均は節目の16,500円を割り込みそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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