マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均600円近い大幅高で昨日の下げ埋める
日本株式市場
日経平均600円近い大幅高で昨日の下げ埋める
1.概況
本日の日経平均は598円高の1万6874円と大幅に反発しました。TOPIXやJPX日経400も大幅に上昇したほか、新興市場のマザーズ指数は7.5%の大幅高で1,200ポイントの節目を2007年1月以来約9年ぶりに回復しました。昨日の米国市場で原油価格が下げ渋るとともに米国株が上昇し、ドル円が108円台後半まで円安に振れたことを受け日経平均は306円高で寄り付きました。日経平均は寄り付き後まもなく上げ幅を500円台まで広げました。日経平均はその後も1日を通して堅調な値動きが続き、16,900円ちょうどを回復する場面もありました。高値圏で取引を終えた日経平均は598円高と昨日の572円安の全値戻しを達成しました。東証33業種は全業種が上昇し、中でも銀行業が6%近い上昇で上昇率トップとなりました。その他にも海運業、保険業、非鉄金属、電気機器、輸送用機器の5業種が4%を超える上昇となっています。一方、昨日復興需要への期待などから買われた建設業は0.7%高と本日は騰落率最下位となりました。東証1部の売買代金は2兆863億円と昨日からわずかに減少しました。
2.個別銘柄等
売買代金上位の幅広い銘柄が買い戻され、東証1部の売買代金トップのトヨタ自動車(7203)から売買代金52位のコマツ(6301)まで全て上昇しました。トヨタ自動車は3.9%高だったほか、三菱UFJ(8306)が7%近く上昇するなどメガバンク3行も大幅に上昇しました。その他にもソニー(6758)、ファーストリテイリング(9983)、マツダ(7261)、ペプチドリーム(4587)などが6%以上の上昇を記録しました。昨日大幅に上昇した建設の一角は利益確定売りに押され下落しました。若築建設(1888)が6.7%安、不動テトラ(1813)が5.7%安などとなっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
昨日の米国市場で原油価格や株価が堅調だったことを受け、日経平均は昨日の大幅な下落をすべて取り戻しました。 市場のセンチメントは大きく好転しています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場と香港市場はともに反発
上海総合指数:3042.82(+9.16)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):21334.63(+173.13)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に反発しました。中国人民銀行が中期貸出制度(MLF)で1625億元を金融機関18行に供給したと発表したことを受けて上昇して始まった上海総合指数ですが、上げ幅を縮めるとマイナスに転じ、その後は昨日の終値を挟んで揉み合う展開となりました。MFLを通じての資金供給で預金準備率の引き下げ期待がやや後退した一方、習近平国家主席が18日に開催した会議で国有企業改革や税制などの金融改革を加速すると表明したことが相場の支えとなりました。引けにかけて買いがやや優勢となり、結局上海総合指数は0.3%高で取引を終えています。
<香港市場>
香港ハンセン指数は反発となっています。昨日の米国株高と原油価格の下げ渋りを受けて、ハンセン指数は大幅に上昇して寄り付きましたが、上海総合指数の伸び悩みが嫌気され上げ幅をやや縮小したものの、底堅さをみせると後場に徐々に持ち直す展開となっています。日本時間16時時点で金融事業株指数が1%超上昇しているほか、不動産株指数や公益事業株指数、商工業株指数も上昇となっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、1-3月期決算の大幅増益となりそうだと発表したことを好感しグアンジョウオート (広州汽車集団・02238)が大幅に上昇しています。また、原油価格の持ち直しを受けてシノック(中国海洋石油・00883)や昆侖能源(クンルン・エナジー、00135)などのエネルギー株が買い戻される展開となっています。さらに、業績発表を控えているAIAグループ (友邦保険・01299)も堅調推移となっています。
一方で、値嵩株のテンセント (騰訊控股・00700)は1%近く下落しています。株価が約1年ぶりの高値圏にあるなか、馬化騰・最高経営責任者(CEO)が保有自社株の一部を慈善基金に寄付すると伝わったことをきっかけに利益確定の売りが出たようです。また、1-3月期が前年同期で大幅な減益になったもようだと発表した中国通信大手のチャイナユニコムホン (中国聯通・00762)が1%余り下げ、同業のチャイナモバイル (中国移動・00941)も連れ安となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)