市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均32円高と小幅に続伸 一時200円超上昇も徐々に上げ幅を縮小 

日本株式市場

日経平均32円高と小幅に続伸 一時200円超上昇も徐々に上げ幅を縮小 

1.概況
本日の日経平均は32円高の1万6906円と小幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400も上昇しましたが、昨日7.5%の大幅高となったマザーズ指数は本日は1.7%安と反落しました。昨日の米国市場は高安まちまちだったものの、日経平均は昨日の上昇の勢いそのままに179円高の1万7053円と1万7000円の節目を回復して寄り付きました。日経平均は寄り付き後まもなく本日の高値となる224円高をつけましたが、その後は急激な上昇への警戒感もあってか徐々に上げ幅を縮めました。クウェートで発生していたストライキが終了したことで原油先物価格が時間外取引で下落し、ドル円が109円を割り込む水準まで円高に振れたことも材料視されました。前場を102円高で終えた日経平均は、後場寄りは30円高とさらに上げ幅を縮めると13時前には一時マイナスに転じる場面がありました。すぐにプラスに転じるとその後は再び上げ幅を広げる場面があったものの引けにかけて徐々に値を下げ、結局小幅高で取引を終えました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップのトヨタ自動車(7203)が0.7%安、三菱UFJ(8306)が1.1%安だった一方でソニー(6758)は3.9%高、三井住友(8316)は0.3%高などとなっています。材料が出たところでは三菱自動車(7211)が15%超の大幅安で東証1部の下落率首位となりました。燃費試験で不正を行っていたことについて記者会見すると報じられ、今後の業績悪化を懸念して一時ストップ安となるなど売りが殺到しました。また、東京ドーム(9681)は大手証券が投資判断を引き下げたことが嫌気され6.8%安となりました。一方、大手証券が買いの投資判断を継続した山崎製パン(2212)は6.6%高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は一時200円以上上昇したものの、徐々に上げ幅を縮めて小幅高で取引を終えました。日経平均の予想PERは15倍台半ば近くまで上昇しており、ここから先を買い上がるには今期の企業業績を確認したいという向きが多いのかもしれません。来週は日本企業の業績発表が本格化することに加え、米国の連邦公開市場委員会(FOMC)や追加緩和の可能性が指摘されている日銀の金融政策決定会合が開催されるため、明日以降やや様子見地合いが強まる可能性もありそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場と香港市場はともに大幅反落

上海総合指数:2,972.58(-70.24)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):21174.37(-261.84)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅に反落し8営業日ぶりに節目の3,000ポイントを割り込みました。中国人民銀行(中央銀行)が本日の公開市場操作(オペ)で短期市場に2100億元の資金を供給したことを受けて買いが先行した上海総合指数ですが、しばらくしてマイナスに転じ下げ幅を広げると節目の3,000ポイントを割り込みました。時間外の原油価格の下落を嫌気して資源関連株が急落したことや、中期貸出制度(MLF)で供給された4500億元の資金が今週中に満期を迎えることで短期金利が上昇したことなどが投資家心理を悪化させました。後場に節目の2,900ポイント近辺で下げ渋ると引けにかけてやや持ち直した上海総合指数ですが、結局2.3%安と大きく下げて取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は大幅反落となっています。ハンセン指数はクウェートの石油施設でのストライキが終了したと伝わり時間外の原油価格が下落したことを受けて下げて寄り付くと、上海総合指数が心理的な節目の3,000ポイントを割り込んだことも重石となり、下げ幅を広げる展開となりました。一時1.6%安近くまで売られる場面もあったハンセン指数は、その後はやや下げ幅を縮めているものの引き続き軟調な展開となっています。日本時間16時時点で4業種全てが下げ、なかでも商工業株指数と公益事業株指数が1%を超す下落となっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、四半期決算が85%減益となる見通しを発表した中国通信大手のチャイナユニコムホン (中国聯通・00762)が4%を超す下げとなっています。また、短期金利が上昇したことで資金ひっ迫懸念から金融株が軒並み軟調に推移しています。エイチエスビーシー (HSBC・00005)やコンストラクションバンク (中国建設銀行・00939)などの銀行株や、ピンアンインシュランス (平安保険・02318)やチャイナライフイン (中国人寿保険・02628)といった保険株が下げています。さらに、冴えない決算を受けてリサイクル事業や廃棄物処理を手掛けるドンジャンエンバイロ (東江環保・00895)が2%近く売られています。

一方で、1-3月期の大幅な増益見通しを発表した中国海運のチャイナシッピング (中海発展・01138)が1%以上上昇しています。また、中国港湾運営大手のチャイナマーチャンイ (招商局国際・00144)もつれ高となっています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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