マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は強弱材料入り混じるなか小幅に高安まちまち 日本市場は昨日の地合いを引き継ぎ続伸か
NYダウ: 18053.60 △49.44 (4/19)
NASDAQ: 4940.33 ▼19.69 (4/19)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は強弱材料入り混じるなか小幅に高安まちまちとなりました。原油価格の上昇に加え、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)やユナイテッドヘルス・グループ(UNH)の決算が好感された一方で、IBM(IBM)の冴えない決算が相場の重石となりました。取引開始後しばらくして100ドル高近くまで買われたダウ平均はその後上げ幅を縮めると昼過ぎには20ドル安近くまで売られ節目の18,000ドルを割り込む場面もみられました。その後持ち直したダウ平均は18,000ドルを上回ってプラス圏で推移すると結局49ドル高の18,053ドルと続伸し連日で年初来高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も6ポイント高の2,100ポイントと年初来高値を付けています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は19ポイント安の4,940ポイントと反落となっています。
2.経済指標等
3月の米住宅着工件数は年率換算で前月比8.8%減の108万9千戸と2カ月ぶりに減少し市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち情報技術と一般消費財・サービスを除く8業種が上げました。なかでも素材が2%を超える上昇となったほか、エネルギーも2%近く上昇しました。また、金融も1%を上回る上昇となっています。
4.個別銘柄動向
決算は大幅な減収減益だったものの、1株利益が市場予想を上回ったゴールドマン・サックス(GS)が2%を超える上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、決算を発表し2016年12月期通期の業績見通しを引き上げたジョンソン・エンド・ジョンソンや、予想を上回る決算を発表したユナイテッドヘルス・グループも堅調でした。一方で16四半期連続の減収となった決算を発表したIBMが5%を上回る下落となり、ダウ平均を1銘柄で60ドル近く押し下げました。ダウ平均構成銘柄以外では1株利益が市場予想を下回ったフィリップ・モリス(PM)や、決算を受けて業績の先行きを懸念した売りが出た大型バイクのハーレー・ダビッドソン(HOG)が売られたほか、利用者数見通しが市場予想を下回った動画配信のネットフリックス(NFLX)が急落となっています。なお、取引終了後に決算を発表したインテル(INTC)は増収増益ながら1株利益が市場予想を下回ったことや、今年の売上高見通しを下方修正したことなどから時間外で一段安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は原油価格の上昇やダウ平均が連日で高値を付けたことなどから安全資産の米国債が売られ前日比0.01%高い1.78%となりました。こうしたなかドル円はやや円安となり109円20銭台での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
ダウ平均が連日で高値を更新したことや、ドル円もやや円安となっていることなどから本日の日本市場は大幅高となった昨日の地合いを引き継いで続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の17,000円を上回り一目均衡表の雲の上限(16,989円)を抜けての引けとなるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)