市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場は利益確定の売りで反落 ダウ平均は18,000ドル割れ 日本市場は短期的な過熱感もあり反落か

NYダウ: 17982.52  ▼113.75 (4/21)
NASDAQ: 4945.89  ▼2.24 (4/21)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は冴えない決算が重石となるなか利益確定の売りで反落となりました。朝方は小幅にプラスとなる場面もあったダウ平均ですが、じりじりと下げ幅を広げると取引終盤には130ドル安余りまで売られました。結局ダウ平均は113ドル安の17,982ドルと4日ぶりの反落となり節目の18,000ドルを割り込んで取引を終えました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も2ポイント安の4,945ポイントと小幅反落となっています。

2.経済指標等
先週一週間の新規失業保険申請件数は前週比6千人減の24万7千人となり1973年11月以来約42年5カ月ぶりの低水準となり市場予想を下回って改善しました。一方で4月の米フィラデルフィア連銀の製造業景況指数はマイナス1.6と前月の12.4から悪化しプラスを見込んでいた市場予想を下回りました。また、3月の米景気先行指標総合指数は前月比0.2%増となったものの市場予想は下回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうちヘルスケアを除く9業種が下げました。なかでも電気通信サービスと公益事業が2%を超える下落となったほか、生活必需品も1%を上回る下げとなりました。また、金融も1%近く下げています。

4.個別銘柄動向
1-3月期決算で1株利益が市場予想を下回ったトラベラーズ(TRV)が6%安となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、売上高が市場予想を下回ったベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も3%を超える下落となり、トラベラーズとベライゾン・コミュニケーションズの2銘柄でダウ平均を60ドル近く押し下げました。また、四半期決算が大幅減益となった航空会社のユナイテッド・コンチネンタル(UAL)が10%近く下げ急落となっています。一方で決算が大幅増益となったゼネラル・モーターズ(GM)やバイオ製薬のバイオジェン(BIIB)が買われました。また、衛星テレビのディッシュ・ネットワーク(DISH)との提携延長を発表したメディアのバイアコム(VIA)が急伸しています。なお、取引終了後に決算を発表したグーグルを傘下に持つアルファベット(GOOGL)は1株利益が市場予想を下回ったことから時間外取引で大きく下げています。同じく取引終了後に決算を発表したマイクロソフト(MSFT)も1株利益が市場予想に届かなかったことから時間外取引で一段安となっています。

5.為替・金利等
長期金利はドラギECB総裁が理事会後の記者会見で追加緩和に関して具体的な可能性に踏み込まなかったことでドイツなどの欧州主要国の債券相場が下げたことから米国債にも売りが波及し前日比0.02%高い1.86%となりました。ドル円は米国株安や原油価格の下落を受けて安全通貨とされる円が買われやや円高となりました。朝方は109円40銭台での推移となっています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安に加え、ドル円も円高となっていることから本日の日本市場は反落でのスタートが予想されます。日経平均が昨日まで3日続伸で1,000円以上上昇した後ということや、25日移動平均とのかい離率が5%近くまで広がり短期的な過熱感もやや意識され利益確定の売りがでやすいなかで売り一巡後に下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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