市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均4日続伸 日銀から銀行への貸し出しにマイナス金利導入検討との報道を受け銀行株が大きく上昇

日本株式市場

日経平均4日続伸 日銀から銀行への貸し出しにマイナス金利導入検討との報道を受け銀行株が大きく上昇

1.概況
本日の日経平均は208円高の1万7572円と4日続伸しました。TOPIXやJPX日経400も上昇した一方で、新興市場のマザーズ指数は反落しました。日経平均は昨日までの3日間で1,000円以上上昇していたところに、昨日米国株が下げドル円もやや円高に振れたとあって、日経平均は143円安の1万7220円で寄り付きました。日経平均は好転した市場のセンチメントを示すように底堅く推移し徐々に下げ幅を縮めると、前引け前に一時小幅なプラスに転じる場面がありました。前場を16円安で終えた日経平均は、後場寄りからわずかに下げ幅を広げました。ただ、13時半頃に「日銀が金融機関への貸し出しにマイナス金利を適用することを検討している」と報じられると、それまで109円30銭程度で推移していたドル円が110円台前半まで円安に振れ、マイナス金利による収益悪化懸念がやわらいだ銀行株を中心に大きく上昇しました。日経平均は200円高近くまで上昇すると一旦は上げ幅を縮める場面もありましたが、引けにかけて一段の円安が進んだことから再び上げ幅を広げ結局208円高で高値引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆7889億円と昨日から1割以上増加しました。東証33業種は27業種が上昇、6業種が下落しました。銀行業が5%近く上昇したほか証券商品先物や海運業、不動産業など景気敏感セクターを中心に上昇した一方で、電気・ガス業、その他製品、小売業、食料品などディフェンシブセクターの一角は下落しています。

2.個別銘柄等
日銀から金融機関への貸し出しに対してマイナス金利の導入が検討されているという報道を受け、銀行株が軒並み上昇しました。三菱UFJ(8306)が東証1部の売買代金トップの商いを集めて6.6%高となったほか、三井住友(8316)みずほ(8411)がともに4%台の上昇となりました。その他の銀行各社もゆうちょ銀行(7182)が小幅安となったほかは概ね大きく上昇しました。トヨタ自動車(7203)やソフトバンクグループ(9984)、ファーストリテイリング(9983)などその他の売買代金上位銘柄も概ねしっかりでした。ただ、売買代金2位に入った三菱自動車(7211)は13.6%安と大幅に3日続落しました。燃費偽装問題の収拾はついておらず今後の業績悪化懸念から売られています。また、デバイス分野で減損処理を行ったことなどから2016年3月期の営業利益が従来見通しを下回って着地したようだと発表したソニー(6758)は1.7%安と軟調でした。

【VIEW POINT: 明日への視点】
マイナス金利を巡る報道が好感され日経平均は4日続伸となりました。ただ、日経平均が上げ幅を拡大したのは報道がきっかけですが、前場の時点で一時プラス圏に浮上するなど地合い改善を受け報道前から底堅く推移していました。来週は26日・27日の連邦公開市場委員会(FOMC)、27日・28日の日銀の金融政策決定会合、日本企業の決算発表本格化など重要イベントが目白押しです。特に日銀の追加金融緩和への期待は強いことから、下値では積極的な買いが入る展開も考えられそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は反発 香港市場は反落

上海総合指数:2959.24(+6.35)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):21451.68(-170.57)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に反発しました。中国人民銀行による連日の大規模な資金供給から預金準備金率の引き下げ期待が後退したほか、中国の先物取引所3カ所が昨日に鉄鉱石や石油化学製品、食糧など商品相場の過熱を抑制する措置を打ち出したことを受け、非鉄金属や鉄鋼など商品関連株が売られ相場の重石となりました。下落して始まった上海総合指数は、前場に何度か持ち直す場面がみられたものの、プラスに転じたところでは買いが続かず再度マイナスに転じ一時は1%近く下落するなど軟調な展開となりました。但し、午後から徐々に持ち直すと引けにかけて再びプラスに転じ、上海総合指数は結局小幅高で取引を終えています。

<香港市場>
香港ハンセン指数は反落となっています。昨日の米国株安と原油価格の下落を受けてハンセン指数は下落して寄り付きました。その後は一時下げ幅を縮める場面がありましたが、昨日にハンセン指数が年初来の高値を更新したこともあり利益確定売りに押されて、一時1.2%安まで売られました。後場に入ると、ハンセン指数はやや持ち直したものの、マイナス圏での推移が続いています。日本時間16時時点で4業種全てが下げ、なかでも不動産株指数と公益株指数が1%近い下落となっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、保険のAIAグループ (友邦保険・01299)が1%超上昇しています。2015年12月-16年2月期の新契約価値(VONB)が前年同期比で44%増え、第1四半期としては過去最高を更新したと発表したことが材料視されました。また、好決算を受けてチャイナリソービアー (華潤ヒ酒・00291)も1%超上げています。

一方で、カジノ事業の大幅減益見通しを受けてギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽・00027)が大幅に続落しています。また、中国の先物取引所による抑制措置を受けて、シェンホアエネルギー (神華能源・01088)が3%超下落しています。さらに、大幅減収が引き続き嫌気されたチャイナライフイン (中国人寿保険・02628)が2%近い下げとなっています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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