市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均円高進行など受け続落

日本株式市場

日経平均円高進行など受け続落

1.概況
本日の日経平均は86円安の1万7353円と続落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。中でもマザーズ指数は5%近い大幅安となりました。昨日の米国市場が小幅に安く、ドル円が111円ちょうど程度まで円高に振れたことを受け日経平均は80円安の1万7358円で寄り付きました。前場の日経平均はしばらく寄り付き水準での推移が続いた後、10時過ぎに13円安まで下げ幅を縮める場面がありました。ただ、日経平均は11時過ぎから急速に下げ幅を広げると下げ幅は200円を超え、結局前場を219円安で終えました。日経平均は後場寄り後にさらに下げ幅を広げまもなく本日の安値となる238円安をつけました。日経平均はその後徐々に持ち直すと結局寄り付きとほぼ同水準での大引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆804億円と活況の目安とされる2兆円をわずかに上回る水準でした。東証33業種はパルプ・紙、水産・農林業、食料品、石油石炭製品、医薬品、空運業、陸運業のディフェンシブセクターを中心とした7業種のみ上昇しました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップには燃費偽装問題に揺れる三菱自動車(7211)が入り、10%近く下げ5日続落となりました。短期的な反発を狙った買いが入りプラス圏で推移する時間帯もありましたが、燃費不正を1990年代から行っていたと報じられると急落しました。売買代金2位の三菱UFJ(8306)が3.6%のきつい下げとなったほか、みずほ(8411)と三井住友(8316)も2%台の下落となりました。一方、売買代金6位に入った日本電産(6594)は4%の大幅上昇となりました。昨日発表した平成28年3月期の決算が12.3%の営業増益と堅調に着地したほか、今期も保守的ながら営業増益予想と発表したことで買いを集めました。その他材料が出たところでは、半導体製造装置などを手がける日立国際電気(6756)が13%超急落しました。平成28年3月期が18.6%の営業減益に終わったほか、今期も2割超の減益予想としたことが嫌気されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
一時は240円近くまで値を下げた日経平均ですが、後場の後半にかけて持ち直しました。今週は連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合といった重要イベントを控えていることから一方向にポジションを傾けにくいのかもしれません。本日は好決算を発表した日本電産が買われた一方、冴えない決算だった日立国際電気が大きく売られるという業績への素直な評価が目立ちました。本日の大引け後には東北電力(9506)、ジェイエフイーホールディングス(5411)、エムスリー(2413)などが決算発表を行いました。明日のマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は反発 香港市場は続落

上海総合指数:2964.70(+18.03)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):21231.22(-73.22)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は反発しました。下落して始まった上海総合指数は、中国人民銀行が中期貸出制度(MLF)で2670億元を金融機関18行に供給したほか、本日引き続きレポを通じて1400億元を供給したことを受けてすぐにプラスに転じ一時0.5%高まで上昇する場面がありました。もっとも、資源関連株の下落が相場の重石となり、上値が伸び悩むと下落に転じました。後場に入ると一時0.4%安まで売られた上海総合指数ですが、徐々に持ち直しプラスに転じると引けにかけて買いがやや加速し、結局0.6%高で取引を終えています。

<香港市場>
香港ハンセン指数は続落となっています。中国人民銀行による大規模な資金供給を受けて買いが先行したハンセン指数ですが、26-27日の米FOMCの政策決定を見極めたいとの思惑もあり、買いが続かず、マイナスに転じると一時1%安余りまで売られる場面もみられました。その後は本土市場の持ち直しを受けてやや値を戻す展開となっています。日本時間16時時点で公益事業株指数が1%超値下がりしているほか、不動産株指数や商工業株指数、金融株指数も下落しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、決算が市場予想を上回り昨日上昇した中国自動車のグレートウォールモーター (長城汽車・02333)が下落しています。また、中国政府による石炭火力発電への規制強化を嫌気して、ホァネンパワーイン (華能国際電力・00902)やチャイナリソーシス (華潤電力・00836)といった中国の電力株が大きく売られています。さらに、特段の材料が出たわけではありませんが、中国政府系投資持ち株会社のシティック (中信股フェン・00267)も大幅な下落となっています。

一方、1-3月期の決算が小幅増益となった食品のチンタオビール (青島ビール・00168)が2%超上昇しています。また、政府による食品安全検査報告で懸念されていた添加剤に関する噂が否定され、食品のティンイー (康師傅・00322)が2%超値上がりしています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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