マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均3日続落 明日はお昼ごろに発表される日銀の金融政策決定会合の結果に大注目
日本株式市場
日経平均3日続落 明日はお昼ごろに発表される日銀の金融政策決定会合の結果に大注目
1.概況
本日の日経平均は62円安の1万7290円と3日続落となりました。TOPIXやJPX日経400も下落しましたが、昨日大幅安となった新興市場のマザーズ指数は反発しました。昨日の米国市場は高安まちまちでしたが、ドル円がやや円安に振れたことを受け日経平均は16円高の1万7369円で小幅に反発して寄り付きました。日経平均は寄り付き後すぐにマイナスに転じるとその後本日の高値となる64円高まで上昇しました。日経平均は再びマイナス圏に沈むとその後は軟調な推移が続きました。前引け前に下げ幅を120円余りまで広げた日経平均は、後場に入ってやや下げ幅を縮めたものの一貫してマイナス圏での推移となり、大きな値動きのないまま大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆2630億円と昨日から9%近く増加しました。東証33業種は12業種が上昇、21業種が下落しました。水産・農林業、鉱業、食料品、ガラス土石製品の4業種が1%を超える上昇となっています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップのトヨタ自動車(7203)は1.8%安と続落しました。売買代金2位に入った三菱自動車(7211)は本日も3%近く下落して6日続落となりました。株価は燃費偽装問題発覚前から約半値まで下落しています。その他三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)、ソフトバンクグループ(9984)など売買代金上位銘柄は軟調な銘柄が目立ちました。中でも昨日発表した第1四半期(1-3月期)の決算で営業利益が前年同期比40%近い減少になるとともに、通期の業績予想を下方修正したキヤノン(7751)は売買代金5位の商いを集めて5.3%安と大きく売られました。材料が出たところでは、経営統合を発表したコカ・コーライーストジャパン(2580)とコカ・コーラウエスト(2579)はともに10%を超える大幅高となりました。また、ビットコイン事業者とプロモーション提携を行うと発表したマネースクウェアHD(8728)はストップ高となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
明日は、日本時間今夜午前3時に発表される連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表に加えてお昼ごろに結果が発表される日銀の金融政策決定会合と重要イベントの発表が続きます。特に日銀の金融政策決定会合は、追加緩和があるのかないのかそしてあるとすればどのような内容なのかという点が注目されます。市場の一部ではETFの購入金額の大幅な増額などが予想されており、緩和内容が予想を上回るポジティブ・サプライズとなれば円安株高が期待できそうですが、もし追加緩和を行ったとしても内容が市場の予想に届かないとなれば、失望売りを招く可能性もあります。いずれにせよ明日のお昼の時間帯はマーケットに大きな値動きが出る可能性がありますので、ご注意いただければと思います。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場と香港市場はともに反落
上海総合指数:2953.67(-11.03)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):21328.05(-79.22)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は強弱材料入り混じるなか小幅に反落しました。3月の工業企業利益が11.1%増と1-2月の4.8%増から伸び率が拡大したことが好感された一方、今夜発表される米FOMCの政策決定を見極めたいとの思惑に加え、石炭株が大きく売られたことが相場の重石となりました。上昇して始まった上海総合指数ですが、積極的な買いは限定的で昨日の終値を挟んで揉み合う展開となりました。後場に入ると売りがやや優勢となり、一時0.5%安まで売られた上海総合指数は、引けにかけてやや持ち直し結局0.4%安で取引を終えています。
<香港市場>
香港ハンセン指数は反落となっています。下落して始まったハンセン指数は、中国の工業企業利益の改善を受けて一時プラスに転じる場面がありましたが、今夜発表される米FOMCの政策決定を控えて様子見ムードが強まるなかすぐにマイナス圏に沈むとその後は軟調な推移となっています。日本時間16時時点で公益事業株指数が1%超値下がりしているほか、不動産株指数と商工業株指数が下落しています。一方で金融株指数が小幅に上昇したもののほぼ横ばいとなっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、中国政府による石炭火力発電への規制強化が引き続き嫌気され、チャイナリソーシス (華潤電力・00836)といった中国の電力株が続落しています。また、米アップルの減収決算を受け、テクノロジー機器のAACテクノロジー (瑞声科技・02018)が2%超値下がりしています。パソコン大手のレノボグループ (聯想集団・00992)も下げています。さらに、昨日に大きく上昇した食品のティンイー (康師傅・00322)も売られています。また、好決算を受けて外資系証券のアナリストが強気の投資判断を維持した食品のチンタオビール (青島ビール・00168)も利益確定売りが出て約1%下げています。
一方で、原油価格の上昇が好感されペトロチャイナ(中国石油天然気・00857)が2%超上昇しています。また、小幅ながら増益だった中国平安保険(ピンアン・インシュアランス、02318)も買われています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)