マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は高安まちまち ダウ平均はFOMCの結果を好感し上昇 日本市場は日銀の金融政策決定会合の結果に注目
NYダウ: 18041.55 △51.23 (4/27)
NASDAQ: 4863.14 ▼25.14 (4/27)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を好感してダウ平均とS&P500株価指数は続伸となったものの、時価総額の大きいアップル(AAPL)やツイッター(TWTR)の下落を受けてハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5日続落となりました。午前中に70ドル安まで下落したダウ平均ですがFOMCの結果を午後に控え様子見となるなか昼前に小幅なプラスに転じるとFOMCの結果を受けて米連邦準備理事会(FRB)が利上げに慎重との見方から上げ幅を広げました。一時90ドル以上上昇したダウ平均は引けにかけてやや弱含んだものの結局51ドル高の18,041ドルと節目の18,000ドルを回復して取引を終えています。また、S&P500株価指数も3ポイント高の2,095ポイントとなりました。一方でナスダック総合株価指数は25ポイント安の4,863ポイントとなっています。
2.経済指標等
FRBはFOMCで市場の予想通り利上げを見送りました。また、声明文では「海外経済と金融市場の動向には引き続きリスクがある」との文言を削除し、「インフレ指標や海外経済、金融市場の動向を引き続き注視する」としました。その一方で米国景気については前回の「緩やかなペースで拡大している」から「経済活動の拡大は減速したようだ」へと変更し判断を引き下げています。3月の中古住宅販売仮契約指数は前月比1.4%上昇の110.5となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち7業種が上げ、電気通信サービスが2%近く上げたほか、エネルギーと公益事業も1%を超える上昇となりました。一方で情報技術、ヘルスケア、一般消費財・サービスの3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
決算が減収減益で1株利益も市場予想を下回ったアップルが6%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなってダウ平均を1銘柄で45ドル近く押し下げました。また、決算で売上高が予想に届かなかったツイッターが16%を上回る下落となっています。さらに医療費の支払いの増加で減益となった医療保険のアンセム(ANTM)が軟調でした。一方1-3月期決算で売上高が市場予想を上回ったボーイング(BA)が3%近く上昇したほか、決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が堅調でした。アニメ映画制作のドリームワークス・アニメーション(DWA)はCATV最大手のコムキャスト(CMCSA)から買収提案を受けていると報じられ急伸しています。なお、取引終了後に決算を発表したフェイスブック(FB)は好決算が好感され時間外で一段高となっています。
5.為替・金利等
長期金利はFOMCの結果を受けてFRBが利上げを急がないとの見方から0.07%低い1.85%となりました。ドル円はFOMCの結果に対する見方が分かれ揉み合う展開となりましたが、ダウ平均の上昇を受けてやや円安に振れました。朝方は111円台半ばでの推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
ダウ平均が続伸したことやドル円が円安となっていることから本日の日本市場は反発してのスタートとなりそうです。こうしたなか本日は昼ごろに発表となる日銀の金融政策決定会合の結果が注目されます。日銀が期待を上回る追加緩和に踏み切れば日経平均は上げ幅を大きく広げる展開となりそうですが、追加緩和への期待が高まっているだけに追加緩和見送りとなれば失望から大きく下げることになりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)