市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日銀の追加金融緩和見送りで日経平均は624円の大幅安

日本株式市場

日銀の追加金融緩和見送りで日経平均は624円の大幅安

1.概況
本日の日経平均は624円安の1万6666円と大幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて大幅に下落しました。昨日開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが見送られるとともに、声明文で6月会合での利上げを示唆するような文言の記載がなかったことを好感しダウ平均が上昇したこと、また日銀の追加金融緩和への期待もあり日経平均は148円高の1万7438円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後も徐々に上げ幅を広げると、一時は280円あまり上昇する場面もありました。前場を243円高で終えた日経平均ですが、お昼休みの時間帯に日銀が金融政策の現状維持を発表すると、111円台後半で推移していたドル円が一時108円台まで円高に振れ、日経平均先物は急落しました。日経平均も後場寄りから大きく値を下げると下げ幅を500円超まで広げました。その後やや値を戻す時間帯もありましたが、日本は連休を前にしていることもあり手仕舞い売りが出たのか引けにかけて再び下げ幅を広げて結局本日の安値圏での大引けとなりました。高値と安値の値幅が900円超と大きなものになったことから東証1部の売買代金は3兆1868億円と3兆円を超える活況となりました。東証33業種はすべて下落しました。中でも証券商品先物、銀行業、保険業といった金融セクターがきつい下げとなりました。

2.個別銘柄等
日銀の追加緩和見送りを受け幅広い銘柄が大幅安となりました。トヨタ自動車(7203)が3.3%安となったほか、メガバンク3行は6%前後下げています。また、ファナック(6954)が10%近く下落、ファーストリテイリング(9983)も5.8%安と日経平均への寄与度が高い両銘柄とも大幅安となりました。一方、三菱自動車(7211)は6.4%高と7日ぶりに反発しました。相場全体が冴えない中で短期的な戻りを期待した買いが入ったとみられます。材料が出たところでは、昨日発表した決算で60%近い経常減益となった任天堂(7974)が8.3%の大幅安となりました。また、1-3月期の3ヶ月間の業績が赤字に転落した証券最大手の野村ホールディングス(8604)は10%超下落しました。一方、前期が65%の営業増益となり、今期も18%の営業増益予想と発表したカワチ薬品(2664)は一時ストップ高となるなど20%超上昇して東証1部の上昇率トップとなりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
市場の期待に反し日銀が追加金融緩和を見送ったことで、日経平均は大幅安となりました。大引け後もドル円は徐々に円高が進行しています。来週の日本株式市場は月曜日と金曜日の2日間のみ取引が行われますが、円高進行が重石となって厳しい展開が予想されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は続落 香港市場は反発

上海総合指数:2945.59(-8.08)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):21386.64(+25.04)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は続落しました。国内3大商品取引所が相次いで規制策を打ち出し、過熱抑制措置を強化したことに加え、上海市場の売買代金は低水準にとどまっており、「投機資金は株式市場に戻っていない」との見方も投資家心理の重石となりました。上昇して始まった上海総合指数は、前場は昨日の終値を挟んで揉み合う展開となりましたが、後場に入ると売りが優勢となり、下げ幅を広げると一時1.3%近くまで下げました。引けにかけてやや持ち直し結局上海総合指数は約0.3%安で取引を終えています。

<香港市場>
香港ハンセン指数は反発となっています。米連邦公開市場委員会(FOMC)が市場予想通りに金利を据え置いたほか、原油価格が大幅に続伸したことから、ハンセン指数は上昇して寄り付くと一時1.4%高近くまで上昇する場面がみられました。しかし、日銀の政策決定会合で現状維持の方針が示されたことで失望売りが広がり、上げ幅を急速に縮め一時マイナスに転じる場面もありました。その後はやや持ち直し、小幅高での揉み合いが続いています。日本時間16時時点で不動産株指数をはじめ、商工業株指数や公益事業株指数、金融株指数の4業種がすべて上昇しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、原油価格の上昇が好感されペトロチャイナ(中国石油天然気・00857)が2%超上げているほか、クンルンエネルギー (昆侖能源・00135)も上昇しています。また、米FRBによる利上げの先送りを受けて、CKプロパティーズ (長江地産・01113)やサンフンカイプロパ (新鴻基不動産・00016)といった香港系の不動産株も堅調に推移しています。さらに、特段の材料が出たわけではありませんが、レールウェイコンストラクション (中国鉄建・01186)が大幅に上昇しました。

一方、16年1-3月期決算が2%増益となったCRRC (中国中車・01766)が利益確定売りに押され、約1%下落しています。また、外資系のアナリストが目標株価を引き下げたことから、コスコパシフィック (中遠太平洋・01199)が3%超値下がりしています。さらに、原油高によるコスト増が懸念されキャセイパシフィック (キャセイ航空・00293)が大きく売られています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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