マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週末の米国市場は上昇 ダウ平均は売りが先行するも切り返し79ドル高 日本市場は反発でのスタートか
NYダウ: 17740.63 △79.92 (5/6)
NASDAQ: 4736.16 △19.06 (5/6)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は上昇しました。米雇用統計で非農業部門の雇用者数が16万人増に止まったことで午前中に80ドル安まで売られる場面もあったダウ平均ですが、売り一巡後に切り返すと値ごろ感の買いも入り午後に上げ幅を広げ80ドル高余りまで買われました。結局ダウ平均は79ドル高の17,740ドルと続伸し高値圏で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は19ポイント高の4,736ポイントと4日ぶりの反発となっています。
2.経済指標等
4月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数は16万人増となり市場予想を下回り7カ月ぶりの低い伸びに止まりました。また、3月は21万5千人増から20万8千人増に、2月も24万5千人増から23万3千人増にそれぞれ下方修正されました。失業率は前月から横ばいの5.0%で市場予想よりも高くなりました。平均時給は前年同月比2.5%増となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち素材や情報技術、資本財・サービス、電気通信サービスなどの7業種が上昇しました。一方で公益事業、ヘルスケアー、エネルギーの3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではウォルマート・ストアーズ(WMT)やIBM(IBM)のシスコシステムズ(CSCO)など24銘柄が買われました。一方でメルク(MRK)やアップル(AAPL)など6銘柄が下げています。ダウ平均構成銘柄以外ではニューヨーク証券取引所などを運営するインターコンチネンタル取引所(ICE)が買い推奨を受けて買われました。スマートフォン決済大手のスクエア(SQ)は1-3月期決算が大幅増収となったものの、コスト増などで1株あたり損益の赤字が市場予想よりも悪化したことで21%を超す下げとなり急落しています。また、特殊医薬品会社エンド―・インターナショナル(ENDP)も収益見通しを引き下げたことで急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%高い1.78%となりました。ドル円は米雇用統計を受けて106円台半ばまで円高となる場面もありましたが、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が年2回の利上げ見通しについて妥当な予想との認識を示したと伝わると円売り・ドル買いが優勢となりました。朝方は107円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国市場が上昇したことから本日の日本市場は小幅に反発してのスタートが予想されます。こうしたなか本日もドル円の動向に神経質な展開となりそうで、日経平均が堅調さを引けまで維持し7日ぶりの反発となるかがポイントとなりそうです。なお、取引時間中には三菱重工業(7011)や住友商事(8053)などが決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)