マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均7日ぶりに反発も東証1部の売買代金は今年に入って最低を記録
日本株式市場
日経平均7日ぶりに反発も東証1部の売買代金は今年に入って最低を記録
1.概況
本日の日経平均は109円高の1万6216円と7日ぶりに反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。先週末の米国市場が上昇し、ドル円が107円半ばまで円安に振れたことを受け、日経平均は119円高と反発して寄り付きました。寄り付き後まもなく上げ幅を190円近くまで広げる場面があった日経平均ですが、その後は上昇の勢いを失って11時頃には上げ幅を50円余りまで縮めました。その後前引けにかけてやや値を戻し前場を86円高で終えた日経平均は、後場に入ると徐々に上げ幅を広げました。日経平均は後場に入ると大きく上げ幅を縮めることなく推移し、結局寄り付きとほぼ同水準で大引けをむかえました。東証33業種は22業種が上昇、11業種が下落しました。中でも小売業、不動産業、水産・農林業、食料品、建設業といった内需セクターが堅調でした。東証1部の売買代金は1兆7317億円と活況の目安とされる2兆円を大きく下回り、今年に入って最低となりました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は堅調な値動きが目立ちました。売買代金トップのトヨタ自動車(7203)が1.4%高となったほか、メガバンク3行、小野薬品工業(4528)、ソニー(6758)、ソフトバンクグループ(9984)などがいずれも上昇しました。また、売買代金8位に入ったセブン&アイ・ホールディングス(3382)は5%近い大幅上昇となりました。材料が出たところでは、本日の12時30分に平成28年3月期の決算発表を行った双日(2768)が8%高と急騰しました。今期の営業利益予想を50.5%の大幅増と発表したことで買われました。また、総務省が全国の小学校・中学校・高校に無線LANを導入する方針と報じられたことで、電子教科書関連銘柄に思惑買いが入りました。電子書籍配信が主力のイーブックイニシアティブジャパン(3658)や教育用ソフトウェアなどを手がけるチエル(3933)がいずれもストップ高となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
7日ぶりに反発した日経平均ですが、売買代金は低調で盛り上がりには欠ける展開でした。ひとまず企業の業績発表が終わるのを待ちつつ、為替を睨みながらの展開ということになりそうです。日経平均の予想PERは14倍台後半と、割高感はないものの極端な割安感もないといった水準です。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は大幅続落 香港市場は反発
上海総合指数:2832.11(-81.14)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20181.53(+71.66)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅に続落しました。昨日に発表された中国の4月の貿易統計で輸出と輸入が市場予想に届かなかったことが嫌気され節目の2,900ポイントを割り込んで始まった上海総合指数は、前場に下げ幅を徐々に広げる展開となりました。後場に入ると一時下げ渋るとやや持ち直す場面がみられたものの、石炭株や鉄鋼株などの大幅下落が重石となり下げ幅を再び拡大し一時3%を超えて売られました。引けにかけてやや買い戻されたものの、結局上海総合指数は約2.8%安で取引を終えています。
<香港市場>
香港ハンセン指数は6日ぶりに反発となっています。先週末に発表された冴えない米雇用統計を受けて6月に利上げが実施されるとの懸念がやや後退したことに加え、米国株と原油価格の上昇も好感され、ハンセン指数は上昇して寄り付くとしばらくして1%高近くまで買われました。しかし、本土市場の大幅続落が重石となり、伸び悩むと小幅高での揉み合いが続いています。日本時間16時時点で不動産株指数が1%近く上昇しているほか、公益事業株指数や商工業株指数、金融株指数の3業種も上昇となっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、食品のワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)が買いの推奨を受けて1%超上昇しています。また、先週大きく下げていたギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽・00027)やパソコン大手のレノボグループ (聯想集団・00992)などが買われています。さらに、原油価格の上昇が好感されペトロチャイナ(中国石油天然気・00857)やシノック(中国海洋石油・00883)などのエネルギー株が小幅ながら値上がりしています。外資系証券がレポートで住宅価格の安定化を指摘し、香港の不動産銘柄の買いを推奨したことが好感されCKプロパティーズ (長江地産・01113)やサンフンカイプロパ (新鴻基不動産・00016)といった香港系の不動産株も堅調に推移しています。
一方で、4月の純利益が前月比、前年同期比ともに大幅に減益となったチュウシンショウケン(中信証券・06030)が1%超下落しています。また、商社のリーアンドフン (利豊・00494)は1%超売られています。米国のクライアントのエアロポステール(ARO)が破産法の適用を申請したことから計1,750万ドルの売掛金の回収が懸念されたようです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)