マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は高安まちまち ダウ平均は資源関連株の下落で反落 日本市場は円安を受けて続伸か
NYダウ: 17705.91 ▼34.72 (5/9)
NASDAQ: 4750.21 △14.05 (5/9)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。原油価格の下落を受けてキャタピラー(CAT)やシェブロン(CVX)など資源関連株の下落が重石となったダウ平均が3日ぶりに反落した一方で、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は続伸となりました。朝方に40ドル高余りまで買われる場面もあったダウ平均ですが、買いが続かずマイナスに転じると昼前には70ドル安余りまで売られました。その後も軟調な展開が続いたダウ平均は取引終盤で前日終値近辺まで持ち直す場面もみられたものの、上値は重く結局34ドル安の17,705ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数は1ポイント高の2,058ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も14ポイント高の4,750ポイントとなっています。
2.経済指標等
FRBが発表した4月の米労働市場情勢指数(LMCI)はマイナス0.9と前月のマイナス2.1から改善し市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち5業種が上げ、ヘルスケアが1%を上回る上昇となりました。一方で5業種が下げ、素材とエネルギーが1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではキャタピラーが3%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、シェブロンも1%以上の下げとなり、この2銘柄でダウ平均を30ドル近く押し下げました。ダウ平均構成銘柄以外では同業のガネットによる買収提案を拒否し対抗策を導入すると発表した新聞のトリビューン・パブリッシング(TPUB)が下げ、コンゴ民主共和国に銅山を持つTFホールディングス株を中国企業に売却すると発表した鉱業大手のフリーポート・マクモラン(FCX)が急落しています。一方で増益決算を発表し、2016年9月期通期の1株利益見通しを引き上げた食肉大手のタイソン・フーズ(TSN)が買われたほか、投資ファンドへの身売りを発表したドーナツチェーンのクリスピー・クリーム・ドーナツ(KKD)が買収価格にさや寄せする格好で急騰しています。
5.為替・金利等
長期金利は原油価格の下落を受けて安全資産の米国債が買われ0.03%低い1.75%となりました。ドル円は麻生財務相の円高けん制を受け円売り・ドル買いが優勢となり一時108円60銭まで円安が進みました。朝方は108円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場は高安まちまちで、ダウ平均は反落となったものの、ドル円が108円台を付け円安に振れていることから本日の日本市場は続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が上値を伸ばし一目均衡表の雲の下限(16,385円)を試すような展開となるかがポイントとなりそうです。なお、本日は取引時間中に三菱商事(8058)や三井物産(8031)、丸紅(8002)などの大手商社が決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)