市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均、円安と中国経済指標の改善など受け大幅続伸

日本株式市場

日経平均、円安と中国経済指標の改善など受け大幅続伸

1.概況
本日の日経平均は349円高の1万6565円と大幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400も上昇しましたが、新興市場のマザーズ指数は反落しました。昨日の米国市場はダウ平均が下落した一方ナスダック総合指数は上昇とまちまちで支援材料になりにくかったものの、ドル円が108円台前半まで円安に振れたことを受け、日経平均は91円高と続伸して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を縮めると9時半頃には13円高とマイナスに転じそうな場面がありましたが、そこから持ち直しその後は徐々に上げ幅を拡大しました。10時半に発表された中国の生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回ったことも追い風となったのか、一段高となった日経平均は前場を243円高とその時点の高値圏で終えました。後場に入っても日経平均の上昇の勢いは衰えることなく上げ幅を広げると、一時は上げ幅を370円余りまで広げました。結局日経平均はそのまま大きく押すことなく高値圏で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆4297億円と今年に入って最低だった昨日から大きく増加しました。東証33業種は石油石炭製品と鉱業を除く31業種が上昇しました。中でもその他金融業や保険業、ガラス土石製品、金属製品、ゴム製品、化学の6業種が3%を超える上昇となりました。

2.個別銘柄等
売買代金上位の幅広い銘柄が上昇しました。決算発表を明日の大引け後に控えるトヨタ自動車(7203)は東証1部の売買代金トップの商いを集めて2.2%高と堅調でした。また、メガバンク3行が揃って2%台の上昇となったほか、ソフトバンクグループ(9984)、KDDI(9433)、NTTドコモ(9437)の携帯大手3社が3-4%台の高い上昇率となりました。材料が出たところでは、痛みなく皮膚から投薬できる新技術を開発したと報じられた日東電工(6988)が今後の業績寄与への期待から8.2%の大幅高となりました。決算発表関連では、第1四半期(1-3月期)の営業利益が前年同期比171%増と大幅に増加し、今期業績予想を上方修正したライオン(4912)が13%超の大幅高となりました。また、前期が大幅増収増益で今期も増収増益予想を発表したペット保険を展開するアニコムホールディングス(8715)も8.1%高と買われました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は10時半頃から上げ幅を大きく広げ、続伸しました。GW中に一時105円台まで円高に振れたドル円が108円台後半まで円安に戻していることが市場センチメントを改善させたとみられます。本日の大引け後にはソフトバンクグループや武田薬品工業(4502)、ダイキン工業(6367)、ミクシィ(2121)などが決算発表を行いました。これらの銘柄の明日のマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場と香港市場ともにほぼ横ばい

上海総合指数:2832.59(+0.48)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20169.78(+12.97)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に続落しました。強弱材料が入り混じるなか、上海総合指数は1日を通じて昨日の終値を挟んで揉み合う展開となりました。前日の人民日報での権威筋の発言を受けて中国当局が景気てこ入れを目的に金融緩和に踏み切るとの期待が後退した一方、本日の寄り付き直後に発表された4月の中国生産者物価指数(PPI)が前年比3.4%減と市場予想を上回って前月から下落率を縮小したことが相場の下支えとなりました。後場に一時0.4%高まで買われる場面もみられた上海総合指数ですが、再び下げに転じると結局1ポイント未満の上昇となりほぼ横ばいで取引を終えています。

<香港市場>
香港ハンセン指数はほぼ横ばいとなっています。原油価格の下落を受けてハンセン指数は節目の2万ポイントを割り込んでスタートしましたが、4月の中国のPPIが予想以上に改善したことを受けてすぐに節目の2万ポイントを回復し下げ幅を徐々に縮めると小幅安で揉み合う展開となりました。午後に入ると一時プラスに転じる場面がありましたが、上値が伸び悩むと昨日の終値の近辺での推移が続いています。日本時間16時時点で公益事業株指数が1%近く上昇しているほか、商工業株指数と金融株指数も小幅に上げています。一方で不動産株指数が下落しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、4月の中国の消費者物価指数(CPI)で豚肉の価格が33.5%上昇したことから豚肉関連株のWHグループ (万洲国際・00288)が買われています。ヨーロッパで産業投資オフィスを設立したことが材料視されCRRC (中国中車・01766)も1%余り上昇しています。さらに、値嵩株の通信のチャイナモバイル (中国移動・00941)及びホンコンエクスチェンジ (香港証券取引所・00388)が堅調に推移し、相場の支えとなっています。

一方で、外資系証券のアナリストが投資判断を引き下げたことを受けてパソコン大手のレノボグループ (聯想集団・00992)が大幅に下落しています。また、原油価格の下落が嫌気されシノック(中国海洋石油・00883)やクンルンエネルギー (昆侖能源・00135)などのエネルギー株が軟調に推移しています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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