マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均は小幅続伸もTOPIXは反落とまちまち 明日はトヨタ自動車に注目
日本株式市場
日経平均は小幅続伸もTOPIXは反落とまちまち 明日はトヨタ自動車に注目
1.概況
本日の日経平均は13円高の1万6579円と小幅に上昇し3日続伸した一方、TOPIXやJPX日経400は小幅に反落しました。新興市場のマザーズ指数は2.4%高と堅調でした。米国市場の上昇やドル円が109円台前半まで円安に振れるなどの外部環境の改善を受け、日経平均は171円高と大幅に反発して寄り付きました。日経平均は寄り付き後も上げ幅を広げると一時は上げ幅を250円高近くまで広げる場面がありました。ただ、その後は上昇の勢いを失うとドル円が108円台半ばまで円高に振れたことが嫌気され、日経平均は急速に上げ幅を縮めました。一時マイナス圏に沈む場面もあった日経平均は、結局前場を47円高で終えました。日経平均は後場寄りからやや上げ幅を広げましたが、伸び悩むとしばらくは小幅高で推移しました。14時半頃から再び上げ幅を縮めて一時マイナスに転じたものの引けにかけて値を戻し、結局小幅高で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1875億円と昨日から1割近く減少しました。東証33業種は機械や情報通信業など14業種が上昇、その他金融業や石油石炭製品など19業種が下落しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金1位に入ったトヨタ自動車(7203)は0.8%安と反落しました。なお、トヨタ自動車は本日の大引け後に決算発表を行い、2016年3月期の営業利益は3.8%増の2兆8539億円と増益を確保したものの、今期の営業利益予想は前期から4割超の減益となる1兆7000億円と市場予想を大幅に下回りました。一方、売買代金2位のソフトバンクグループ(9984)は2%近く上昇して3日続伸となりました。昨日発表した2016年3月期の決算が増収増益だったことが好感されたようです。その他の売買代金上位銘柄はソニー(6758)やKDDI(9433)、NTT(9432)が堅調だった一方で小野薬品工業(4528)や三菱UFJ(8306)、武田薬品工業(4502)が下落とまちまちでした。中でも武田薬品工業は今期の業績予想が市場予想を下回ったことで5%近く急落しました。材料が出たところでは、クックパッド(2193)は国内証券が目標株価を引き下げたことが嫌気され9.8%安となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
前場は250円近く上昇する場面があった日経平均ですが、円高進行を受け急速に上げ幅を縮めて結局小幅高で取引を終えました。上述したように、本日の大引け後に発表されたトヨタ自動車の今期業績予想は市場予想を大きく下回りました。トヨタ自動車は決算と同時に自社株買いの発表も行っており、明日のマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は小幅続伸 香港市場は反落
上海総合指数:2837.04(+4.45)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20140.39(-102.29)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に続伸しました。上昇して始まった上海総合指数ですが、国営新華社傘下の「経済参考報」が株式市場の健全で持続的な成長のためには中国証券金融など中国政府系資金の「国家隊」が短期的売買を頻繁に行うことを控えるべきとの記事を受けて「国家隊」からの買い支え期待が後退したことから、しばらくしてマイナスに転じると一時0.5%安近く売られる場面もありました。その後は押し目買いが入り持ち直すとプラスに転じ一時約0.9%高まで買われましたが、引けにかけて伸び悩むと上げ幅をやや縮め、結局上海総合指数は0.2%近い上昇に留まり取引を終えています。
<香港市場>
香港ハンセン指数は反落となっています。昨日の米国株と原油価格の上昇を受けて上昇して寄り付いたハンセン指数ですが、上述の「経済参考報」の記事が投資家心理を悪化させたほか、100日移動平均(10日大引け時点で20338.77ポイント)が天井として意識されたこともあり、すぐにマイナス圏に沈むと下げ幅を広げ一時1%安余りまで売られました。午後に入ると、上海総合指数の堅調な推移が好感され、やや持ち直す展開となっています。日本時間16時時点で商工業株指数が小幅に上昇している一方、不動産株指数や金融株指数、公益事業株指数が下落しています。なかでも不動産株指数が1%を上回る下げとなっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、食品のワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)は会長が先週末に500万株を購入したことが報じられたにもかかわらず3%近く下落しています。また、2016年4月の純利益が前年同月比81%減となったチャイナギャラクシー(中国銀河証券・06881)が一時3%安近く下落ましたが、買い戻されると1%超の上昇となっています。さらに、2016年1-3月期決算が9%減益となったことから売りが先行したホンコンエクスチェンジ (香港証券取引所・00388)も持ち直すとほぼ横ばいとなっています。
一方で、チャイナステートコン (中国建築国際・03311)が2016年1-4月の新規受注額が前年同期比9.3%増の295億1000万香港ドルだったことが好感され大幅に上昇しています。また、原油価格の上昇が好感されシノック(中国海洋石油・00883)といったエネルギー株も堅調に推移しています。さらに、昨日に大きく下げていたパソコン大手のレノボグループ (聯想集団・00992)も1%以上反発しています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)