マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は冴えない決算を受けて大幅反落 日本市場は米国株安に加え、大幅減益の業績予想を発表したトヨタの下げも重石に
NYダウ: 17711.12 ▼217.23 (5/11)
NASDAQ: 4760.69 ▼49.19 (5/11)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はウォルト・ディズニー(DIS)やメーシーズ(M)の冴えない決算を受けて消費関連株が売られ大幅反落となりました。一日を通して下げ幅を広げる展開となったダウ平均は217ドル安の17,711ドルとほぼ安値引けとなり、前日の上昇分をほぼ吐き出す格好となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も49ポイント安の4,760ポイントと4日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
4月の米財政収支は1064億5200万ドルの黒字と3カ月ぶりの黒字となったものの、前年同月から黒字幅が縮小し市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち公益事業を除く9業種が下げました。なかでも一般消費財・サービスやヘルスケア、金融の3業種が1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はマイクロソフト(MSFT)を除く29銘柄が下げました。なかでも決算は増収増益だったものの、1株利益が市場予想に届かなかったウォルト・ディズニーが4%安となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、ナイキ(NKE)も3%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では決算で売上高が市場予想を下回ったうえ、通期見通しを下方修正した百貨店大手のメーシーズが15%余り下落し急落しています。また、オフィス・デポ(ODP)との合併を断念すると発表した文具小売りのステープルズ(SPLS)も急落となっています。一方でビデオゲームのエレクトロニック・アーツ(EA)は決算が好感され急伸しています。
5.為替・金利等
長期金利は米株安を受けて安全資産の米国債が買われ前日比0.03%低い1.73%となりました。こうしたなかドル円はやや円高に振れ108円40銭台での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安を受けて本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。昨日の引け後に4割減益で市場予想を大きく下回る今期予想を発表したトヨタ(7203)の下げも相場の重石となりそうで、日経平均は節目の16,500円や、25日移動平均線(昨日時点で16,499円)を下回りそうです。こうしたなか一目均衡表の雲の下限(16,385円)がサポートとなるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)