市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均高く始まるも5日ぶりに反落 本日で日本企業の決算発表はほぼ一巡

日本株式市場

1.概況
本日の日経平均は234円安の1万6412円と5日ぶりに反落しました。TOPIXやJPX日経400も下落した一方で、新興市場のマザーズ指数は上昇しました。昨日の米国市場は高安まちまちで支援材料になりにくかったものの、SQに伴う思惑売買からか日経平均は157円高と続伸して寄り付きました。日経平均は急速に上げ幅を縮めると9時半頃にはマイナスに転じ、その後は徐々に下げ幅を広げました。前場を179円安とその時点の安値圏で終えた日経平均は、後場に入ってもしばらくは同水準での推移が続きました。引けにかけてやや下げ幅を広げた日経平均は、結局ほぼ安値引けとなり5日ぶりに反落しました。東証33業種はその他製品と医薬品の2業種のみ上昇し残る31業種は下落しました。中でも水産・農林業は5%超、鉱業は4%超のきつい下げとなりました。東証1部の売買代金は2兆5395億円と昨日から2割弱増加しました。

2.個別銘柄等
実質的に日産自動車(7201)の傘下に入ることが決定し昨日ストップ高となった三菱自動車(7211)は、本日は東証1部の売買代金トップの商いを集めて1.7%安と反落しました。一方、昨日は下落した日産自動車は4%高としっかりでした。その他トヨタ自動車(7203)やソフトバンクグループ(9984)、KDDI(9433)、メガバンク3行など主力銘柄は下落が目立ちました。材料が出たところでは、昨日発表した平成28年3月期の決算が18%の営業増益としっかりで、今期も大幅増益計画を発表したトクヤマ(4043)が一時ストップ高となりました。同じく昨日発表した前期決算が増収増益で今期も大幅な増収増益計画を発表したマンション販売のゴールドクレスト(8871)も16%近い大幅高となっています。一方、動画サイト運営や出版事業を行っているカドカワ(9468)は今期の営業利益予想を66%の減益と発表したことが嫌気され、17.6%の大幅安となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
朝方は高く始まった日経平均ですが、すぐにマイナスに転じほぼ安値引けとなりました。本日で大部分の日本企業が決算発表を終えることになります。来週以降は、月末に控えている伊勢志摩サミットに向け政府が景気刺激策を発表するかどうかや、来月に控えた連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合などに徐々に市場の焦点は移っていくとみられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場と香港市場はともに続落

上海総合指数:2827.11(-8.75)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):19632.29(-283.17)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は続落となりました。下落して始まった上海総合指数ですが、押し目買いが入り一時プラスに転じ0.5%高まで買われる場面もみられました。ただ、14日に発表される小売売上高や固定資産投資などの主要経済指標を見極めたいとの思惑が強まり、上値が伸び悩むとその後は昨日の終値を挟んで揉み合う展開となりました。後場に入ると売りがやや優勢となった上海総合指数は一時0.8%安まで売られましたが、引けにかけてやや持ち直し、結局0.3%安で取引を終えています。

<香港市場>
香港ハンセン指数は3日続落となっています。小幅に下落してスタートしたハンセン指数は、時間外の原油価格の反落が重石となったほか、明日の中国の主要経済指標の発表を控えた様子見ムードもあり買いが入りにくく下げ幅を徐々に広げるとその後は軟調な推移が続いています。日本時間16時時点で4業種の全てが下げ、なかでも不動産株式指数が2%超下げているほか、公益事業株指数と金融株指数も1%を超える下落となっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、前日に中国銀行業監督管理委員会(銀監会)が1-3月期の中国商業銀行の不良債権額が増加したと発表したことが嫌気され、インダコマシャルバンク (中国工商銀行・01398)やコンストラクションバンク (中国建設銀行・00939)などの本土系銀行株が揃って軟調に推移しています。また、クンルンエネルギー (昆侖能源・00135)も大幅に下落しています。事業再編の一環として、石油とガスの生産事業を親会社のペトロチャイナ(中国石油天然気・00857)か第三者に売却し、ガスの供給事業に集中する方針が嫌気されたようです。さらに、特段の材料が出たわけではありませんが、値嵩株のパソコン大手のレノボグループ (聯想集団・00992)も3%を超える下げとなっています。

一方で、安値圏にある小売りのベレインターナショナル (百麗国際・01880)は押し目買いが入り7%超上昇しています。また、食品のティンイー (康師傅・00322)やモンニュウデイリー (蒙牛乳業・02319)などのディフェンシブ銘柄も堅調推移となっています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

バックナンバー


マネックスレポート一覧

当社の口座開設・維持費は無料です。口座開設にあたっては、「契約締結前交付書面」で内容をよくご確認ください。
当社は、本書の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更または削除されることがございます。当社は本書の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。本書の内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。

利益相反に関する開示事項

当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、ならびに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。