市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均小幅安もTOPIXは上昇とまちまち GDP速報値は市場予想を上回る

日本株式市場

1.概況
本日の日本市場は日経平均が8円安の1万6644円と小幅に反落した一方、TOPIXやJPX日経400は上昇とまちまちでした。また、新興市場のマザーズ指数は8%近い大幅反落となりました。昨日の米国市場は、発表された消費者物価指数が市場予想を上回る高い伸びとなったことから早期利上げの懸念が再燃し、ダウ平均は180ドル安となりました。また、寄り付き前に発表された日本の1-3月期GDPは前期比年率換算1.7%増と市場予想を大きく上回る高い伸びとなりました。こうした中41円安と小幅に安く寄り付いた日経平均ですが、本日は1日を通して方向感に欠ける値動きとなりました。日経平均は寄り付き後にプラスに転じたあと再びマイナス圏に沈むと一時は135円安まで下げ幅を拡大しました。特段の材料は出ていないものの日経平均は10時半頃から急速に持ち直しプラスに転じると結局前場を100円高で終えました。後場寄りから上げ幅を縮めた日経平均は、13時半頃から再度マイナスに転じ140円安近くまで下げ幅を広げました。その後引けにかけて持ち直し引け直前までプラス圏で推移していましたが、結局小幅安での大引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆3366億円と3日ぶりに活況の目安とされる2兆円を上回りました。東証33業種は鉱業や銀行業など18業種が上昇した一方で、電気・ガス業や情報・通信業、サービス業などディフェンシブセクターを中心とした15業種が下げました。

2.個別銘柄等
三菱UFJ(8306)が東証1部の売買代金トップの商いを集めて4.3%高と大きく上昇しました。また、三井住友(8316)が3.4%高、みずほ(8411)が2.7%高とそれぞれ堅調でした。GDP速報値が予想より上振れたことで、今後のマイナス金利拡大が遠のくとの思惑が買い材料になったようです。売買代金2位に入ったスズキ(7269)は一時15%安まで下落し、終値でも9.4%安となりました。燃費データを取得する際の走行試験で不正があったと報じられたことから売りが殺到しました。その他ソニー(6758)やソフトバンクグループ(9984)などがしっかりだった一方、昨日に続いてKDDI(9433)、NTT(9432)、NTTドコモ(9437)の3社は下落しました。行政主導の値下げ要請が続き、収益が圧迫されるのではとの懸念が根強いようです。

【VIEW POINT: 明日への視点】
GDP速報値は市場予想を上振れましたが、うるう年による押し上げ効果もあるとみられています。今夜の米国市場では4月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が発表されます。昨日の米国市場が早期利上げ懸念で下げたこともあり、ハト派色・タカ派色どちらが強い議事要旨となるのかによって今夜の米国市場や明日の日本市場に大きな影響がありそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

不動産規制強化などが懸念され上海総合指数、香港ハンセン指数ともに下落

上海総合指数::2,807.51(-36.17)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):19,812.04(-306.76)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は続落しました。朝方に発表された4月の主要70都市の新築住宅価格指数は、前月に比べて価格が上昇した都市が65都市と3月に比べて上昇都市が増えたことから、今後不動産市場の過熱防止の為に当局が新たな規制を行うのではないかとの懸念が投資家心理を悪化させたようです。午後に入っても下げ幅を拡大した上海総合指数は、一時2,800ポイントの節目を割り込む時間帯もありましたが引けにかけてやや値を戻し結局2,807ポイントと3月10日以来約2ヶ月ぶりの安値で取引を終えました。

<香港市場>
香港ハンセン指数は反落しました。昨日節目の2万ポイントを回復したハンセン指数ですが、前日の米国株安を受け安く始まると本土市場の下落も嫌気されて徐々に下げ幅を拡大しました。幅広い銘柄に売りが出ており、ハンセン指数は日本時間16時時点で306ポイント安の19,812ポイントとなっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
米国の早期利上げや中国当局の不動産規制強化が懸念され、CKプロパティ (長江地産・01113)やサンフンカイプロパティーズ (新鴻基不動産・00016)などの不動産株が売られています。また、決算発表への期待から連日上昇していたインターネットサービスのテンセント (騰訊控股・00700)も反落しています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)

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