マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は高安まちまち ダウ平均はFOMC議事要旨を受けて失速し小幅安 日本市場は円安で上昇か
NYダウ: 17526.62 ▼3.36 (5/18)
NASDAQ: 4739.12 △23.39 (5/18)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて6月の利上げ観測が強まったことが相場の重石となる一方で、政策金利の引き上げに伴う利ざやの改善が見込まれる金融株の上昇が相場を支え小幅に高安まちまちとなりました。原油価格が上昇していたこともあってFOMCの議事要旨発表前に106ドル高まで買われたダウ平均ですが、FOMCの議事要旨が発表されると急速に上げ幅を縮めマイナスに転じ一時は111ドル安まで売られました。引けにかけてダウ平均は持ち直したものの、結局戻し切れず3ドル安の17,526ドルとわずかに下落して取引を終えています。一方でS&P500株価指数は0.4ポイント高の2,047ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も23ポイント高の4,739ポイントと反発しています。
2.経済指標等
米連邦準備理事会(FRB)が発表した4月開催のFOMC議事要旨では、大半の参加者が今後発表される経済データ次第で6月の利上げが適切となる可能性があるとの認識を示していたことが明らかとなりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち7業種が下げ、公益事業、素材、電気通信サービス、生活必需品が1%を超える下落となっています。一方で金融と情報技術、ヘルスケアの3業種が上げ、金融は2%近い上昇となっています。
4.個別銘柄動向
FOMC議事要旨を受けて6月の利上げ観測が強まるなか政策金利の引き上げに伴う利ざや改善への期待からJPモルガン・チェース(JPM)が4%近く上昇したほか、ゴールドマン・サックス(GS)も3%以上上昇し、この2銘柄でダウ平均を50ドル以上押し上げました。一方で決算を受けてディスカウントストアのターゲット(TGT)が大幅安となったことで19日に決算発表を予定しているウォルマート・ストアーズ(WMT)にも決算を警戒する売りが出ました。ウォルマート・ストアーズは大きく下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。そのほかダウ平均構成銘柄以外では大幅増益の決算ながら市場予想に届かなかった食品大手のホーメル・フーズ(HRL)が急落しています。
5.為替・金利等
長期金利はFOMC議事要旨を受けて6月の利上げ観測が強まったことから0.08%高い1.85%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ110円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場は高安まちまちとなったものの、ドル円が110円台を付け円安に振れていることから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が上値を伸ばし、4月25日の高値から5月2日の安値までの下げに対する半値戻し(16,794円)を達成するような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)