マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は早期利上げに対する警戒感から下落 日本市場は米国株安で軟調なスタートか
NYダウ: 17435.40 ▼91.22 (5/19)
NASDAQ: 4712.53 ▼26.59 (5/19)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はニューヨーク連銀のダドリー総裁が6月か7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げに踏み切る可能性に言及したことで、早期利上げに対する警戒感から下落しました。下落して始まったダウ平均は昼ごろに195ドル安まで売られましたが、その後は徐々に下げ幅を縮める展開となりました。結局ダウ平均は91ドル安の17,435ドルと3日続落で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も26ポイント安の4,712ポイントと反落となっています。
2.経済指標等
先週一週間の新規失業保険申請件数は前週比1万6千件減の27万8千件となり市場予想を小幅に上回ったものの4週ぶりに改善しています。また、4月の米景気先行指標総合指数は前月比0.6%増となり市場予想を上回りました。一方で5月の米フィラデルフィア連銀の製造業景況指数はマイナス1.8と前月のマイナス1.6から悪化し、プラスを見込んでいた市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち6業種が下落し、資本財・サービスと金融が1%近く下げています。一方で4業種が上げ、公益事業が1%近く上昇しました。
4.個別銘柄動向
四半期決算が市場予想を上回ったウォルマート・ストアーズ(WMT)が10%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、シスコシステムズ(CSCO)も3%を超える上昇となっています。一方でゴールドマン・サックス(GS)が3%を上回る下げとなったほか、ボーイング(BA)も2%以上の下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では独バイエルから買収提案を受けた種子・農業製品大手のモンサント(MON)が大幅高となり、決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったスポーツ用品販売大手のディックス・スポーティング・グッズ(DKS)が急伸しています。
5.為替・金利等
長期金利は前日比変わらずの1.85%となりました。ドル円は109円90銭台での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安を受けて本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均では75日移動平均線(昨日時点で16,602円)や一目均衡表の基準線(昨日時点で16,542円)がサポートとなるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)