マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均小幅に続伸 来週は26日から27日に伊勢志摩サミットが開催
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は89円高の1万6736円と小幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。早期利上げに対する警戒感が改めて強まり昨日の米国市場が下落したことを受け、日経平均は51円安で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に100円安近くまで下げ幅を広げましたがその水準で下げ渋ると徐々に下げ幅を縮めてまもなくプラスに転じました。その後再びマイナス圏に沈む場面もありましたが、結局前場を30円高と小幅高で引けました。後場寄りは前引けと同水準で始まった日経平均ですが13時頃から上げ幅を広げて一時124円高となる場面がありました。その後一旦上げ幅を縮めたものの、引けにかけて再び上げ幅を広げて89円高で大引けをむかえました。東証33業種は29業種が上昇しました。なかでも水産・農林業、繊維製品、その他製品の3業種は1%超上昇しています。東証1部の売買代金は1兆8831億円と昨日に続いて活況の目安とされる2兆円を割り込みました。
2.個別銘柄等
売買代金上位銘柄は堅調な銘柄が目立ちました。東証1部の売買代金トップに入ったトヨタ自動車(7203)は1.2%高と反発しました。売買代金2位の三菱UFJ(8306)は0.6%高、5位のみずほ(8411)は1.3%高と上昇したものの、三井住友(8316)は0.6%安とメガバンク3行は高安まちまちでした。売買代金12位に入ったアルプス電気(6770)は6%近い大幅高となりました。小型無人機「ドローン」向けの振動の影響を受けにくいセンサーを開発したと報じられたことで買われました。また、政府が無人自動運転を2020年に解禁すると報じられ、自動運転関連銘柄が活況でした。地理情報システムの開発を手掛けるドーン(2303)がストップ高となりました。自動車メーカーなどと合弁会社を設立すると発表したパスコ(9232)も12%超上昇しています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は89円高と続伸しましたが一昨日の8円安、昨日の1円高に続いて終値は小幅な値動きにとどまっています。本日から明日にかけて開催されるG7財務大臣・中央銀行総裁会議や来週26日から27日にかけて開催される伊勢志摩サミットといった重要イベントを前に、様子見姿勢が強まっているのかもしれません。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場と香港市場はともに反発
上海総合指数:2,825.48(+18.58)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):19,850.23(+155.90)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は4日ぶりに反発となりました。米国の6月利上げ観測などを背景に資金流出懸念が高まり節目の2,800ポイントを割り込んで始まった上海総合指数ですが、値ごろ感から買いが入り、しばらくして下げ幅を縮めプラスに転じました。その後は積極的な買い材料に乏しいなか前日の終値を挟んで節目の2,800ポイントの近辺で揉み合う展開となりましたが、引けにかけて上げがやや加速し、結局上海総合指数は0.7%高とほぼ高値引けで取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は3日ぶりに反発しています。昨日の米国株安と原油安の流れを受けて続落して寄り付いたハンセン指数ですが、商業銀行が不良資産の証券化を正式に始めると伝わったことが好感されたほか、ハンセン指数がおよそ2カ月半ぶりの安値圏にあるため値ごろ感からの買いも入り、持ち直してまもなくプラスに転じるとその後は上げ幅を広げる展開となりました。一時1.3%高まで買われる場面があったハンセン指数は後場に入っても堅調な推移が続いています。日本時間16時時点で4業種の全てが上げ、なかでも不動産株指数が2%超値上がりしているほか、公益事業株指数も1%を超える上昇となっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、中国の石炭や鉄鋼産業の生産能力を1割削減する方針が引き続き好感され電力のチャイナリソーシス (華潤電力・00836)や石炭のシェンホアエネルギー (神華能源・01088)などが大幅に上昇しています。また、不良資産の証券化開始との報道を受けて、インダコマシャルバンク (中国工商銀行・01398)やコンストラクションバンク (中国建設銀行・00939)などの本土系銀行株が揃って1%を上回る上昇となっています。
一方で、ソフトウエア大手のキングソフト (金山軟件・03888)が15%を超える大幅安となっています。前日の引け後に発表された2016年1-3月期決算で純利益が市場予想を大きく下回ったことが嫌気されたようです。また、2016年10-12月期出荷分の受注の伸び悩みが示されたスポーツ用品のANTAスポーツ (安踏体育用品・02020)も大きく売られています。さらに、ビーワイディー (BYD・01211)は投資判断の引き上げを受けて買いが先行したものの、約1%下落しています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)