マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
週明けの米国市場は早期の利上げが意識され小幅反落 日本市場は円高で続落か
NYダウ: 17492.93 ▼8.01 (5/23)
NASDAQ: 4765.78 ▼3.78 (5/23)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
週明けの米国市場は、独バイエルによるモンサント(MON)の大型買収が相場の支えとなる一方で、連銀総裁から利上げに前向きな発言が相次いだことが相場の重石となり小幅に反落となりました。朝方は20ドル安まで下げる場面もあったダウ平均ですが、徐々に買いが優勢となると50ドル高近くまで一旦上昇しました。その後上値が伸び悩むと昼前には前日終値近辺まで弱含みましたが、大きく下げることなく底堅さをみせると持ち直し取引終盤には再び50ドル高近くまで買われました。しかし、引けにかけて売りに押され上げ幅を縮めたダウ平均は結局8ドル安の17,492ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3ポイント安の4,765ポイントとなっています。
2.経済指標等
5月の米製造業PMI速報値は50.5と市場予想を下回り、2009年10月以来の低水準となりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち公益事業や電気通信サービス、ヘルスケアなど8業種が下げ、なかでも公益事業は1%近い下落となっています。一方で素材と生活必需品の2業種が上げ、素材は1%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
独バイエルがモンサントに提示した買収総額が620億ドルに上ることが明らかになったことでモンサントが大幅高となりました。また、原油・ガス事業の分離上場を断念したと明らかにした鉱業大手のフリーポート・マクモラン(FCX)が堅調でした。一方でガネット(GCI)の買収提案を拒否したシカゴ・トリビューンなどを傘下に持つ新聞のトリビューン・パブリッシング(TPUB)が15%安と急落しています。アメリカン・キャピタル(ACAS)の住宅ローン関連事業を除く部分を総額34億ドルで買収すると発表した投資会社のエイリス・キャピタル(ARCC)は財務負担を嫌気した売りで下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い1.83%となりました。ドル円は円高に振れ朝方は109円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
ドル円が円高となっていることから本日の日本市場は続落でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の16,500円を維持できるかがポイントとなりそうで、昨日に今年最低となった東証1部の売買代金に回復がみられるかが注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)