マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均続落し1万6500円の節目を下回る 東証1部の売買代金は連日で今年の最低を更新
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は155円安の1万6498円と続落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場が小幅に下落したことに加え、ドル円が109円台前半まで円高に振れたことから日経平均は49円安と続落して寄り付きました。日経平均は寄り付きが本日の高値となると買い材料不足のなかでの円高進行が嫌気されたのかその後は徐々に下げ幅を広げました。9時半頃に150円超下落して1万6500円の節目を割り込む場面があった日経平均ですがその後はやや持ち直し、前場を111円安で終えました。日経平均は後場に入ってもしばらくは前引けの水準で推移しましたが、14時頃から一段安となりました。引けにかけてさらに下げ幅を広げて一時は180円超まで下げ幅を広げた日経平均は大引けにかけてやや持ち直したものの、本日の安値圏での大引けとなりました。東証1部の売買代金は1兆6658億円と昨日に続いて今年の最低を更新しました。東証33業種はパルプ・紙と空運業の2業種のみが上昇し残る31業種は下落しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は売買代金トップのトヨタ自動車(7203)から12位のマツダ(7261)まで全て下落しました。中でも売買代金7位に入ったノーリツ鋼機(7744)は連日の大幅高の反動で本日は4%超下落しました。材料が出たところでは、日産(7201)系の自動車部品会社であるカルソニックカンセイ(7248)が8.6%の大幅安となりました。日産が同社の保有株式を全株売却する方針と伝わり、今後の業績不安などから売られたようです。一方、株主優待の拡充を発表したホットランド(3196)が6.6%高となりました。自社グループ店舗で利用できる優待券の株主に対する提供金額を従来から大きく引き上げています。出前仲介サイトの出前館を運営する夢の街創造委員会(2484)はLINE株式会社と業務提携契約を締結したと発表し、15%超の大幅高となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
材料不足のなかじわじわと進行する円高が嫌気されたのか、日経平均は下げ幅を広げて安値圏での大引けとなりました。引き続き積極的な買い材料には乏しい中で、明日以降もドル円を睨みながらの推移となりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は反落 香港市場は続落
上海総合指数:2821.67(-21.98)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):19737.38(-71.65)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は反落となりました。買い材料に乏しいなか下落してスタートした上海総合指数は、創業板指数の下落が投資家心理を悪化させ、下げ幅を徐々に広げる展開となりました。後場に入ると一時1.3%安近くまで売られる場面がありましたが、節目の2,800ポイントの近辺で下げ渋るとその後はやや持ち直す展開となり、結局上海総合指数は約0.8%安で取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は続落となっています。小幅に上昇して寄り付いたハンセン指数ですが、本土市場の下落が嫌気されたほか、石油株や不動産株が売られたことも重石となり、下げ幅を広げるとその後は安値圏で揉み合う展開となっています。日本時間16時時点で商工業株指数をはじめ、金融株指数や公益事業株指数、不動産株指数が揃って小幅に下落しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、原油価格の下落を受けてシノック(中国海洋石油・00883)やペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)などが2%を超える下落となっています。また、米国の早期利上げ懸念が燻るなか、サンフンカイプロパティーズ (新鴻基不動産・00016)といった香港系の不動産株が引き続き軟調に推移しています。株式売買代金の減少を背景にホンコンエクスチェ (香港証券取引所・00388)も約1%下げています。さらに、昨日の目標株価大幅引き下げが引き続き嫌気されCRRC (中国中車・01766)が1%以上値下がりしています。
一方で、バイワンインター (覇王国際・01338)が大幅に上昇しています。長年にわたり争っていた訴訟に「勝訴した」と発表したことが好感されました。また、カジノのサンズチャイナ(金沙中国・01928)やギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽・00027)も買われています。4月に中国本土からマカオを訪れた旅客数が前年同月比で増えたことなどが材料視されました。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)