マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均3日ぶりに大幅反発 明日・明後日と伊勢志摩サミットが開催
日本株式市場
1.概況
本日の日経平均は258円高の1万6757円と反発しました。TOPIXやJPX日経400も上昇した一方で新興市場のマザーズ指数は小幅に下落しました。昨日の米国市場でダウ平均は200ドル以上上昇し、ドル円も110円程度まで円安に戻したことを受け日経平均は265円高の1万6764円で寄り付きました。本日の日経平均は1日を通して高値圏でのもみ合いといった展開でした。日経平均は寄り付き後にやや上げ幅を縮める時間帯もありましたがその後再び上げ幅を広げました。11時頃には上げ幅を300円超まで広げて1万6800円台を回復する場面もありました。前場を296円高で終えた日経平均は、後場に入ると1万6750円程度から1万6790円程度までの狭い値幅でのもみ合いとなり、そのまま3日ぶりに反発して取引を終えました。東証1部の売買代金は今年最低を更新した昨日からはやや増加したものの、本日も活況の目安とされる2兆円を下回りました。東証33業種は医薬品とその他金融業を除く31業種が上昇しました。なかでも保険業は4%近い大幅高となりました。
2.個別銘柄等
ソニー(6758)は東証1部の売買代金トップに入って6.5%の大幅高となり4月22日以来約1ヶ月ぶりに3,000円の節目を回復して年初来高値を更新しました。昨日の大引け後に発表した今期の業績予想が小幅ながら営業増益予想となっており、業績を巡る不透明感が後退したことが好感されました。その他の売買代金上位銘柄も堅調な値動きが目立ちました。トヨタ自動車(7203)が2.3%高となったほかメガバンク3行も揃って上昇しました。ソフトバンクグループ(9984)、NTTドコモ(9437)、KDDI(9433)、NTT(9432)の通信4社は揃って2%~3%台の上昇となりました。こうしたなか売買代金3位に入った小野薬品工業(4528)は4.7%安と軟調でした。大手証券が投資判断を引き下げたことが嫌気されました。また、村田製作所(6981)も大手証券の投資判断引き下げを受け下落しました。材料が出たところでは、改正資金決済法などが成立したことを受け一部の関連銘柄が上昇しました。マネーパートナーズグループ(8732)が一時ストップ高となったほか、さくらインターネット(3778)もしっかりでした。
【VIEW POINT: 明日への視点】
本日大幅高となった日経平均ですが、昨日までの2日間で240円近く下げていたことからその下げを埋めた格好です。東証1部の売買代金は連日2兆円割れが続いており、消費税増税の判断や米国の追加利上げ決定の有無、日銀の追加金融緩和判断など重要イベントを前に市場の様子見姿勢は強まっています。なお、明日からの2日間で伊勢志摩サミットが行われます。財政出動等について何らかの示唆が行われるか注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海総合指数は小幅続落 ハンセン指数は続伸し節目の2万ポイント回復
上海総合指数:2815.09(-6.58)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20341.17(+510.74)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に続落となりました。昨日の引け後に李克強首相が中高速の経済成長を維持しつつ発展の質を向上させる方針を示したことを受けて上海総合指数は上昇して始まりました。一時0.8%高近くまで買われましたが、その後徐々に上げ幅を縮めると後場に入りマイナスに転じました。上海総合指数は引けにかけてやや持ち直したものの、結局戻し切れず0.2%安で取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は大幅に続伸し節目の2万ポイントを回復しています。昨日の米国株や原油価格の上昇を好感して心理的な節目の2万ポイントを回復して寄り付いたハンセン指数は、上げ幅を広げるとその後も高値圏で堅調な推移が続いています。日本時間16時時点で4業種全てが上げ、なかでも商工業株指数や金融株指数、不動産株指数が2%を上回る上昇となっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場はほぼ全面高となっています。中国本土の石炭価格が上昇するとの思惑から石炭のシェンホアエネルギー (神華能源・01088)が6%以上値上がりしているほか、カジノのサンズチャイナ(金沙中国・01928)やギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽・00027)も大きく上昇しています。また、原油高を受けてシノック(中国海洋石油・00883)やペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)なども大きく買われています。2016年2月期決算が大幅減益となったにもかかわらず悪材料出尽くしから買いを集めた小売りのベレインターナショナル (百麗国際・01880)は一時6%超上昇する場面がみられたものの、買いが続かずほぼ横ばいまで上げ幅を縮めています。
一方で外資系証券が投資判断を引き下げたことなどから電力のチャイナリソーシズ (華潤電力・00836)が2%を超える下落となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)