市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均は一時200円高となるも円高で失速し小幅高

日本株式市場

1.概況
本日の日本市場は小幅続伸となりました。原油高などを好感して昨日の米国市場でダウ平均が145ドル高となったことから日経平均は170円高の16,927円で寄り付くと上げ幅をやや広げ200円高の16,957円まで買われました。しかし、110円台前半で推移していたドル円が110円を割り込み円高に振れたことで買いが続かず弱含むと前引け前には44円高の16,801円まで上げ幅を縮めました。その後16,800円台前半から半ばで推移した日経平均は取引終盤で16,800円を割り込むと取引終了の10分前に小幅なマイナスに転じました。日経平均は引け間際にプラスとなったものの、結局15円高の16,772円で取引を終えました。一方でTOPIXは0.01ポイント安の1,342ポイントとほぼ横ばいながらわずかに反落となっています。また、東証マザーズ指数は3日続落、日経ジャスダック平均は反落となっています。なお、東証1部の売買代金は1兆8343億円と本日も2兆円を割り込み、これで2兆円割れは6日連続となりました。

2.個別銘柄等
米エネルギー情報局が発表した週間の石油在庫統計で米原油在庫が市場予想を超えて減ったことで昨日のWTIの原油先物価格が49ドル台を回復したことから国際石油開発帝石(1605)が買われました。また、政府とJR東海(9022)がリニア中央新幹線の大阪への延伸時期を2045年から前倒しする検討に入ったと伝わったことでJR東海が堅調でした。そのほかリチウムイオン電池向けセパレーター(絶縁材)の年間の生産能力を2020年までに現状の2倍に引き上げると発表した旭化成(3407)が大きく上げ、大手証券による投資判断の引き上げを受けて長谷工コーポレーション(1808)が大幅上昇となりました。さらに燃費不正問題で顧客補償の費用の一部として191億円の特別損失を計上すると発表した三菱自動車(7211)は一旦悪材料出尽くしから大幅高となっています。一方で出資先のアリババ集団(BABA)が米証券取引委員会(SEC)から米連邦証券法違反の疑いで調査を受けていると発表し下落したためソフトバンクグループ(9984)が大きく売られました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
一時は200円高となり節目の17,000円まで50円弱まで迫った日経平均ですが、失速し結局小幅な上昇に止まりました。ドル円が円高に振れたことが重石になりましたが、本日も東証1部の売買代金が2兆円割れとなったように17,000円を超えて買い上がるにはエネルギーも足りないということなのでしょう。16,800円から17,000円の価格帯は年初からの累積売買高が多いだけに17,000円を超えていくには売買代金の回復が必要となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)


中国株式市場

上海市場は小幅反発 香港市場は小幅反落

上海総合指数:2822.44(+7.36)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20354.56(-13.49)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅反発となりました。寄り付き後プラスに転じる場面がみられた上海総合指数ですが、明日に4月の中国工業企業利益の発表を控え様子見ムードが強まるなか買いが続かず、しばらくして下落に転じ節目の2,800ポイントを割り込むと一段安となりました。一時1.2%安まで売られた上海総合指数は、その後徐々に買い戻されると2,800ポイントを回復し取引終盤でプラスに転じましたが、結局0.3%高と小幅な上昇で取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は小幅に反落となっています。昨日の米国株や原油価格の上昇が好感され買いが先行したハンセン指数ですが、上海総合指数が一時節目の2,800ポイントを割り込んだことに加え、前日に大きく上昇した反動から利益確定売りが出て上値が伸び悩むとまもなくマイナスに転じました。一時0.6%安近くまで売られたものの、その後はやや持ち直し小幅な下落となっています。日本時間16時時点で不動産株指数と金融株指数が小幅に上昇する一方、商工業株指数と公益事業株指数がわずかな下落となっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、目標株価の引き下げが嫌気され小売りのベレインターナショナル (百麗国際・01880)が大幅に下落しています。また、悪化が見込まれる決算発表を警戒した売りからパソコン大手のレノボグループ (聯想集団・00992)が1%超下落しています。さらに、4月の石炭販売量が大きく減ったことなどが嫌気され石炭のシェンホアエネルギー (神華能源・01088)が一時1%超下落する場面がありました。

一方で本日引け後に発表される2016年1-3月期決算への期待から食品のティンイー (康師傅・00322)が物色され3%近く上昇しています。また、原油価格の上昇が好感されシノック(中国海洋石油・00883)が2%超上昇しているほか、クンルンエネルギー (昆侖能源・00135)も1%以上上げるなど、エネルギー関連株が揃って堅調に推移しています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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