マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均は3日続伸ながら引き続き閑散相場で、東証1部の売買代金は今年最低
日本株式市場
1.概況
本日の日本市場は続伸となりました。昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり、ドル円も109円台後半で推移するなど外部環境に大きな変化がないなか、サミット後の政策期待などから58円高と小幅に上昇して寄り付いた日経平均は上げ幅を広げると10時過ぎに130円近くまで買われました。しかし、16,900円を超えたところで上値を押さえられるとその後は16,800円台での推移が続きました。16,800円台で小動きとなった日経平均は結局62円高の16,834円と3日続伸となりました。東証1部の売買代金は1兆6581億円と今年最低となりました。また、新興市場では東証マザーズ指数が4日ぶりに小幅反発、日経ジャスダック平均が変わらずとなっています。
2.個別銘柄等
ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)がパズドラの中国版の事前登録を開始したと発表したことが好感され東証1部で売買代金トップとなり30%高と急伸しました。ガンホー・オンライン・エンターテイメントの上昇をきっかけにゲーム関連銘柄の物色が広がりコナミホールディングス(9766)やスクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)も上昇しています。また、売買代金3位の東芝(6502)は外資系証券が投資判断を引き上げたことで11%高と昨日に続いて大きく上昇しています。さらに熊本地震の影響で公表を見送っていた今期の業績予想を昨日の取引終了後に発表したアイシン精機(7259)が買い気配で始まり大幅上昇となりました。熊本地震による減益要因200億円を考慮すると市場予想を上回る利益水準となることが好感されました。そのほか昨日の米国市場でアップル(AAPL)が1カ月ぶりに100ドルを回復したことで村田製作所(6981)やアルプス電気(6770)が大幅高となるなどアップル関連銘柄の一角が堅調でした。一方で大手証券が目標株価を引き下げた日立建機(6305)が大きく下げ、投資判断の引き下げでヤマトホールディングス(9064)も下落しています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均はこのところ終値で超えられなかった16,800円を引けで上回ったものの、本日も16,800円を超えると上値が重くなるといった相変わらずの展開でした。こうしたなか閑散相場が続いていますが、東証1部の売買代金は1年9カ月ぶりに7営業日連続で2兆円割れとなりました。来週は6月1日の中国製造業PMIや米ISM製造業景況感指数、2日のOPEC総会とECB理事会、週末の米雇用統計など重要なイベントが目白押しですが、こうしたイベントを受けて相場に方向感が出て商いが戻ってくるのかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)
中国株式市場
上海市場はほぼ横ばい 香港市場は続伸
上海総合指数:2821.05(-1.40)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20490.23(+93.12)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に反落しました。朝方発表された中国の1-4月の工業企業利益の増加率が1-3月から縮小したことを受けて下落して始まった上海総合指数は、しばらくして節目の2,800ポイントの近辺まで売られましたが、その後持ち直すと昨日の終値を挟んで揉み合う展開となり、結局ほぼ横ばいで取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は4日続伸となっています。小幅に上昇して寄り付いたハンセン指数ですが、中国の工業企業利益の伸び鈍化を受けてしばらくしてマイナス圏に沈むと一時は0.5%安余りまで売られる場面がありました。しかし、底堅さをみせると徐々に買い戻され後場に入ってプラスに転じると堅調な展開となっています。日本時間16時時点で金融株指数、不動産株指数、商工業株指数、公益事業株指数の4業種全てが上昇しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、昨日のゲーム開発サミットを受けてゲームセクターへの成長期待からテンセント (騰訊控股・00700)が4%近く上昇しています。また、電子化によりクレジットカードでの紙の請求書を廃止することによるコスト削減効果が好感されインダコマシャルバンク (中国工商銀行・01398)やコンストラクションバンク (中国建設銀行・00939)など中国系の銀行株が軒並み堅調となっています。さらに香港と深センの取引所の相互乗り入れへの期待からホンコンエクスチェンジ (香港証券取引所・00388)が1%を上回る上げとなっています。
一方で1-3月期決算が大幅減益となったことが嫌気され食品のティンイー (康師傅・00322)が10%超下げ急落しています。また、2016年3月期の決算が6年ぶりの赤字となったパソコン大手のレノボグループ (聯想集団・00992)が3%超値下がりしています。さらに、原油高によるコスト増が懸念されキャセイパシフィック (キャセイ航空・00293)も売られています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)