マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国株小幅に上昇 円安もあり日本市場は続伸でスタートか
NYダウ: 17873.22 △44.93 (5/27)
NASDAQ: 4933.51 △31.74 (5/27)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国株式市場は小幅に上昇しました。寄り付き後に徐々に上げ幅を広げたダウ平均は、イエレンFRB議長の早期利上げに前向きな発言を受け一時小幅なマイナス圏に沈む場面もありましたが、すぐにプラス圏に浮上するとその後は再び徐々に上げ幅を広げ高値引けとなりました。早期利上げが意識されたことから金融株が上昇して相場の牽引役となりました。結局44ドル高の1万7873ドルで終えたダウ平均は、週間で372ドル高となり5週ぶりに反発しました。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も31ポイント高と4日続伸で取引を終えました。
2.経済指標等
イエレンFRB議長はハーバード大学で行った講演で、「今後数か月以内に利上げをすることが適切だ」との見解を示しました。一方で賃金の伸びが鈍いことに触れるなど、急激な利上げには慎重な姿勢を示しました。また、1-3月期のGDP改定値は前期比年率0.8%の増加と速報値の0.5%増から上方修正されたものの、市場予想は下回りました。5月のミシガン大学消費者信頼感指数確報値は94.7と速報値から下方修正されて市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種が上昇しました。中でも金融が上昇率トップとなっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均採用銘柄では、ゴールドマン・サックス(GS)やJPモルガンチェース(JPM)の金融2社が上昇したほか、マイクロソフト(MSFT)やビザ(V)などもしっかりでした。一方、キャタピラー(CAT)やマクドナルド(MCD)が下げました。オラクル(ORCL)との著作権侵害訴訟に勝訴したアルファベット(GOOGL)は1.5%高としっかりでした。また、労働組合とストライキ終了について包括的な合意に達したベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も小幅に上昇しました。化粧品販売のアルタ(ULTA)が9%超の大幅高となりました。通期の業績見通しを上方修正したことが好感されました。
5.為替・金利等
米国の長期金利は前日比0.02%高い1.85%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高と円安を受け続伸でのスタートが予想されます。日経平均が節目の1万7000円を超える場面があるか、また週末に安倍総理大臣が消費税増税を2年半延期する方針を固めたと報道されたことから、小売株などの関連株にどのような反応が見られるか注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)