市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均5日続伸 明日は安倍総理大臣の記者会見に注目

日本株式市場

1.概況
本日の日経平均は166円高の1万7234円と5日続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場は戦没者追悼記念日(メモリアルデー)のため休場で、ドル円も大きな値動きがなかったことから日経平均は38円安と小動きで寄り付きました。日経平均は寄り付き直後こそ下げ幅を広げて1万7000円の節目をわずかに割り込む場面がありましたがすぐに切り返すとしばらくは前日終値を挟んだもみ合いとなりました。一時110円台後半まで進んだドル円が111円台まで盛り返したこと、また上海総合指数が取引開始後に大きく上げ幅を広げたことも好感されてか日経平均は10時半頃から上げ幅を拡大しました。前場を83円高とその時点の高値水準で終えた日経平均は後場寄りから一段高となりまもなく1万7200円台を回復しました。日経平均はやや上げ幅を縮める場面がありましたがその後引けにかけて再び上げ幅を広げて結局1日の高値水準での大引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆8740億円と今年最低を記録した昨日から一転して4月28日以来約1カ月ぶりの高水準となりました。東証33業種は石油石炭製品を除く32業種が上昇、中でもゴム製品は唯一2%を超える上昇となりました。

2.個別銘柄等
売買代金上位銘柄は概ね上昇しました。東証1部の売買代金トップのトヨタ自動車(7203)が1.8%高となったほか、リクルートホールディングス(6098)、KDDI(9433)、メガバンク3行などが堅調でした。一方売買代金4位の武田薬品工業(4502)は小幅に下落しました。材料が出たところでは、テレビ用液晶パネルから撤退すると報じられたパナソニック(6752)は3.6%高としっかりでした。一方、三菱グループが保有している株式を売り出すと発表した三菱総研(3636)は9%近い大幅安となりました。また、マザーズ市場のアキュセラ・インク(4589)は本日もストップ安比例配分となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
連日薄商いが続いていた日本市場ですが、本日は商いを伴って上昇しました。上海市場も大幅高となっており、徐々に世界的にリスクオンに傾きつつあるのかもしれません。5月の日経平均は月間で568円高と2カ月ぶりに上昇しました。6月は米国の連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀の金融政策決定会合、英国のEU離脱を問う国民投票など重要イベントが目白押しです。イベント通過前後は株価や為替の変動が大きくなる可能性があり、注意が必要でしょう。また、明日6月1日は安倍総理大臣が消費税増税延期について記者会見を行うと報じられています。今後の財政健全化についてどのような説明がなされるのか、また景気対策についての言及はあるかなど注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は大幅続伸 香港市場は6日続伸

上海総合指数:2,916.62(+94.17)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20,930.89(+301.5)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅に続伸し節目の2,900ポイントを回復しました。上海証券取引所が前週末に公表した株式取引停止のガイドラインを手掛かりに、6月15日に人民元建てA株がMSCI新興国市場指数に採用されるとの期待が強まり、機関投資家による投資規模の拡大を見込む買いが膨らみました。上昇して始まった上海総合指数は、1日を通じてだれることなく上げ幅を広げる展開となり節目の2,900ポイントを回復しました。その後は高値圏での推移が続き、結局上海総合指数は3.3%高とほぼ高値引けとなり一気に25日移動平均線と75日移動平均線を上抜いています。

<香港市場>
ハンセン指数は6日続伸となっています。小幅に下落して寄り付いたハンセン指数ですが、本土市場の大幅上昇が投資家心理の改善に繋がり、しばらくしてプラスに転じ上げ幅を徐々に拡大する展開となりました。ハンセン指数は後場に入っても買いの勢いが衰えず堅調な展開となっています。日本時間16時時点で4業種全てが上げ、なかでも金融株指数が2%近く上昇しているほか、商工業株指数と不動産株指数も1%を超える上昇となっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場はほぼ全面高となっています。なかでも香港と深センの市場間の相互取引の開始を巡る期待からチュウシンショウケン(中信証券・06030)が3%超上昇しているほか、HTSC (華泰証券・06886)も5%以上上げるなど、中国本土の証券会社が軒並み賑わっています。また、外資系証券が目標株価を引き上げたことが好感され自動車のビーワイディー (BYD・01211)が堅調に推移しています。前日に大きく下げていた食品のティンイー (康師傅・00322)が値ごろ感の買いが入り、大幅に反発しています。さらに、センチメントが改善するなかピンアンインシュランス (平安保険・02318)及びチャイナライフイン (中国人寿保険・02628)が大きく買われています。昨日に非公開化計画の詳細を発表した中国の商業不動産大手の大連万達集団傘下のワンダコマーシャル (万達商業・03699)も小幅ながら反発しています。

一方で、ディフェンシブ銘柄とされる小売のチャイナリソービアー (華潤ヒ酒・00291)が小幅な下落となっています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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