マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
OPECは増産凍結見送りも米国株は小幅に上昇 日本株は小幅に反発して取引開始か
NYダウ: 17838.56 △48.89 (6/2)
NASDAQ: 4971.36 △19.11 (6/2)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
昨日の米国株式市場は主要3指数が揃って上昇しました。下げて始まったダウ平均は、石油輸出国機構(OPEC)の原油増産凍結見送りを受けて原油価格が下落したことが嫌気されて一時86ドル安まで下げ幅を広げました。ただ、雇用統計の発表を翌日に控えて様子見姿勢も強く一方向の下げとはならずダウ平均は徐々に下げ幅を縮めました。取引終盤にプラスに転じたダウ平均はその後もやや上げ幅を広げて結局48ドル高の1万7838ドルと高値引けとなりました。S&P500とナスダック総合指数もそれぞれ小幅に上昇し、S&P500は約7カ月ぶりの高値をつけました。
2.経済指標等
5月のADP雇用統計は民間部門の雇用者数が前月から17.3万人の増加で市場予想と一致しました。新規失業保険申請件数は26.7万件と市場予想を下回り前週から申請件数が減少しました。なお、欧州中央銀行(ECB)は事前の予想通り金融政策の現状維持を決定しています。
3.業種別動向
唯一1%を超える上昇となったヘルスケアなど7業種が上昇しました。一方OPECの増産凍結見送りを受け売られたエネルギーなど3業種が下げました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではデュポン(DD)やキャタピラー(CAT)など21銘柄が上昇しました。ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)はヘアケア製品を手がける企業を33億ドルで買収すると発表し今後の業績拡大期待から買われました。一方、アップル(AAPL)が下げました。ゴールドマン・サックス(GS)がスマートフォン市場全体の成長鈍化を背景にアップルの目標株価を引き下げたことが嫌気されました。ダウ平均構成銘柄以外では鉱山用機械大手のジョイ・グローバル(JOY)が、四半期利益が市場予想を上回ったことで買われて22%の急騰となりました。
5.為替・金利等
OPECの増産凍結見送りなどを受け安全資産である米国債が買われて長期金利は前日比0.04%低い1.80%となりました。ドル円は一時108円台半ばまで円高に振れましたがやや値を戻し朝方は108円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場の上昇や日経平均が昨日までの2日間で670円超下げているとあって、本日の日経平均は小幅に反発しての取引開始が予想されます。ただ、ドル円が108円台と円高に振れていることや今夜に米雇用統計の発表を控えているとあって大幅な反発は期待しづらいかもしれません。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)