マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場はイエレン議長の講演を受けて反発 日本市場は米国株高で反発か
NYダウ: 17920.33 △113.27 (6/6)
NASDAQ: 4968.71 △26.20 (6/6)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は、米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が講演で利上げ時期を示唆しなかったことでFRBが利上げを急がないとの見方から反発しました。上昇して始まったダウ平均はイエレン議長の講演後に上げ幅を縮める場面もみられましたが、しばらくして持ち直すと取引終盤には140ドル高余りまで買われました。結局ダウ平均は113ドル高の17,920ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も26ポイント高の4,968ポイントとなっています。
2.経済指標等
FRBが発表した5月の米労働市場情勢指数(LMCI)はマイナス4.8と前月のマイナス0.9から悪化し市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち公益事業と電気通信サービスを除く8業種が上げました。なかでもエネルギーが2%近く上昇したほか、素材も1%近く上げています。
4.個別銘柄動向
イラン航空への航空機供給について協議したと伝わったボーイング(BA)が3%を超す上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、原油価格の上昇を受けて資源開発関連サービス大手のハリバートン(HAL)が大幅高となったほか、深海油田開発のトランスオーシャン(RIG)が急伸しています。建設向けレンタル事業の分割を発表したレンタカーのハーツ・グローバル・ホールディングス(HTZ)も大きく上げています。一方で急性アレルギー治療の新薬について米食品医薬品局(FDA)から認可が得られなかったと発表したバイオ製薬のアダミス・ファーマシューティカルズ(ADMP)が50%を超す下げとなり急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は米国債に利益を確定する目的の売りが出て0.03%高い1.73%となりました。ドル円はイエレン議長の講演を受けて円買いが優勢になる場面もありましたが、米国株式相場が上げ幅を広げるとドル買いが再び優勢となりました。朝方は107円台半ばでの推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高や円安を好感して本日の日本市場は反発してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が上値を伸ばして一目均衡表の雲の上限(16,738円)を試すような展開となるかが注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)