マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は小幅に高安まちまち 原油価格の上昇でダウ平均は続伸 日本市場は小動きでのスタートか
NYダウ: 17938.28 △17.95 (6/7)
NASDAQ: 4961.75 ▼6.96 (6/7)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は50ドル台を回復したWTIの原油先物価格の上昇を好感し続伸となったものの、バイオ製薬関連株に売りが膨らんだことでナスダック総合株価指数は反落となっています。取引開始直後から上げ幅を広げたダウ平均はしばらくして80ドル高余りまで買われ節目の18,000ドルを僅かに上回るとその後も堅調な推移が続きましたが、18,000ドル近辺で上値の重さが目立つなか引けにかけて利益確定の売りが出て上げ幅を縮め結局17ドル高の17,938ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も2ポイント高の2,112ポイントとなり連日で年初来高値を更新しています。一方でナスダック総合株価指数は6ポイント安の4,961ポイント安となっています。
2.経済指標等
1-3月期の米労働生産性指数改定値は年率換算で前期比0.6%低下し速報値の1.0%低下から上方修正され市場予想と一致しました。また、4月の米消費者信用残高は前月比134億1636万ドル増の3兆6015億3567万ドルで市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち6業種が上げ、エネルギーが2%を超える上昇となったほか、電気通信サービスも1%を上回る上げとなりました。一方でヘルスケアや金融などの4業種が下げています。
4.個別銘柄動向
原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)やエクソンモービル(XOM)が買われ、シェブロンは2%以上上昇しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。また、ヤフー(YHOO)のネット事業買収を提案する計画があると報じられたベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も2%高となっています。一方で多発性硬化症治験薬の中期臨床試験で主要目標を達成できなかったバイオ医薬品のバイオジェン(BIIB)や、開発中の医薬品の試験結果が思わしくなかったアレクシオン・ファーマシューティカルズ(ALXN)が急落したほか、2016年12月期通期の業績見通しの大幅な引き下げを発表した製薬大手バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナル(VRX)も大幅安となっています。既存店売上高の伸びが予想を下回った手芸・家庭雑貨販売のマイケルズ(MIK)も急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は欧州債券相場の上昇を受けて米国債にも買いが入り前日比0.02%低い1.71%となりました。こうしたなかドル円はやや円高に振れ107円30銭台での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が小幅に高安まちまちとなったことから本日の日本市場も小動きでのスタートが予想されます。SQ週の水曜日は相場が荒れやすいといわれますが、こうしたなかで日経平均が本日も一目均衡表の雲のなか(16,738円から16,542円)での推移にとどまるのかが注目されます。なお、取引開始前には1-3月期のGDPの改定値が発表されるほか、取引時間中には中国の貿易統計が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)