マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は原油高で上昇 ダウ平均は節目の18,000ドルを回復 日本市場は円高で軟調なスタートか
NYダウ: 18005.05 △66.77 (6/8)
NASDAQ: 4974.64 △12.89 (6/8)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は、週間の石油在庫統計で米原油在庫が前の週から市場予想以上に減ったことなどでWTIの原油先物価格が51ドル台を付けたことを好感して上昇しました。ダウ平均は取引開始後しばらくして節目の18,000ドルを回復すると一旦上値が伸び悩み18,000ドルを下回る水準での推移が続きましたが、取引終盤で18,000ドルを超えてくると結局66ドル高の18,005ドルと3日続伸となり、4月27日以来およそ1カ月半ぶりに節目の18,000ドルを回復して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も12ポイント高の4,974ポイントと反発し年初来高値を更新しています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち資本財・サービス、素材、公益事業、生活必需品など8業種が上げました。一方でエネルギーと電気通信サービスの2業種が下げています。
4.個別銘柄動向
医療保険のユナイテッドヘルス(UNH)が増配を発表し2%を超えて上昇し、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、約3,000件の特許を売却するための競売に着手し、その売却額が10億ドルを超える見通しと伝わったヤフー(YHOO)や、5月の旅客輸送実績が前年同月を上回った格安航空会社のサウスウエスト航空(LUV)が堅調でした。さらに四半期決算で売上高が市場予想を上回ったスポーツ衣料のルルレモン・アスレティカ(LULU)が大幅高となりました。一方で業績見通しが市場予想を下回った電子決済システム大手のベリフォン・システムズ(PAY)が急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は10年物国債入札の好調な結果を受けて米国債が買われ0.01%低い1.70%となりました。ドル円は106円台後半近辺での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場は上昇したものの、ドル円がやや円高となっていることから本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなか昨日の高値引けとなった日経平均が底堅さをみせ上値抵抗線として意識されてきた5月のSQ値(16,845円)を試すような展開となるかがポイントとなりそうで、2兆円割れが続いている東証1部の売買代金に回復がみられるかも注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)