マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は欧州株安や原油安で小幅反落 日本市場は3カ月に一度のメジャーSQ
NYダウ: 17985.19 ▼19.86 (6/9)
NASDAQ: 4958.62 ▼16.03 (6/9)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は前日にダウ平均が節目の18,000ドルを回復していたこともあって利益確定の売りが出やすいなか欧州株安や原油安を受けて小幅に反落しました。下落して始まったダウ平均は昼過ぎに90ドル安近くまで売られましたが、その後徐々に下げ幅を縮めると取引終盤にはわずかなプラスとなって18,000ドルを回復する場面もみられました。たた、18,000ドル近辺では上値が重く結局ダウ平均は19ドル安の17,985ドルと小幅に下げて取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も16ポイント安の4,958ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の新規失業保険申請件数は前週比4千人減の26万4千人となり、増加を見込んでいた市場予想に反して減少し改善しています。また、4月の米卸売在庫は前月比0.6%増となり市場予想を上回っています。米卸売売上高は同1.0%増となりこちらは市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち金融、素材、エネルギーなどの7業種が下げました。一方で公益事業、電気通信サービス、生活必需品の3業種が上げています。
4.個別銘柄動向
原油安や投資判断の引き下げを受けて石油・天然ガス開発のチェサピーク・エナジー(CHK)が下落し、四半期決算で1株利益が減少した高級家具販売のレストレーション・ハードウエア・ホールディングス(RH)が急落しました。また、FRBによる早期の利上げ観測が後退するなか金融株に下落するものが目立ちました。ウェルズ・ファーゴ(WFC)やJPモルガン・チェース(JPM)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、シティグループ(C)、ゴールドマン・サックス(GS)などが揃って軟調となっています。一方で四半期決算が予想よりも好調だった食品のJMスマッカー(SJM)が大幅高となり、投資判断引き上げを好感してビジネス向け交流サイトのリンクトイン(LNKD)が買われました。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い1.68%となりました。ドル円は原油安や株安を受けて106円台前半まで円高が進む場面もありましたが、米国株の持ち直しを受けて円売り・ドル買いが優勢となりました。朝方は106円90銭台での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
欧州株安や米国株安を受けて本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなか本日は3カ月に一度のメジャーSQ ですが、裁定買い残も多くないことから寄り付きに大きな波乱はなさそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)